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第8-2話不自然な地面
「だって、景色がゴツゴツした岩肌ばっかりで面白くないよ。魔物が出てきてこんにちはーってなると思ったのに……もうこれ、いないんじゃないの?」
簡単に気を抜くなとグリオスは怒鳴りたくなったが、こんなに洞窟内を響かせる声で騒いでも、なんの気配もない。口を閉ざせば簡単に静寂がやってくる。
確かにいないのかもしれないと思ったが、グリオスは敢えて首を横に振る。
「もしかしたらワナを張っているのかもしれない。洞窟によく潜んでいるのはゴブリンだ。アイツらならそれぐらいのことはするだろう」
「えっ、ワナ? あるなら探してハマってあげなきゃ――」
エルジュの足先が、分岐した左へ進もうとするグリオスとは反対を向き、駈け出そうとする。
がしっ。素早くグリオスはエルジュの後襟を掴み、ジタバタするのも構わずに引きずり歩いた。
「コラッ! 探しに行こうとするな! 今は地図通りに道を選んで進んでいるんだ。ちょっとでも道を逸れると延々と迷うことになる。軽率な行動はしないでくれ」
「そんなつまらないことしたくないっ。きっと獲物がかかるのを想像して、ドキワクしながらワナを張ったと思うんだ。子供が親をビックリさせようと準備している時と同じような心境だと思うと、期待に応えたくならない?」
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