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第46-2話王からの褒美
心から結ばれたばかりで浮かれているから、抑えが利かなくなっているのだろう。もうしばらくすれば慣れて落ち着くはず。それまでの辛抱だ。
そんなことをグリオスが思っていると、視線に気づいたエルジュが目だけを向け、フッと小さく笑う。
妖しさが漂い、熱を帯びた目。
城を出たら分かっているよね? という心の声が聞こえてしまい、グリオスの腰の深い所が甘く疼いてしまう。
思わずグリオスが赤面して視線を外していると、ようやく王の話が終わる気配を見せ始めていた。
「――という訳で、勇者エルジュの功績を称えてこれより褒美を授けよう。金貨はもちろんだが、我が城に眠りし秘宝も受け取って欲しい。それから……我が姫よ、ここへ」
突然呼ばれて玉座の隣に現れたのは、ほっそりとした美しく清楚な姫。
王は自慢げに微笑んで胸を張りながら、姫に手をかざしながら告げた。
「この者は我が一人娘の可愛い姫。誰かにくれてやるものかと思っておったが、エルジュ殿にならば大切な宝を預けたいと思っておる。どうか褒美として姫を受け取ってはくれぬか? そして行く行くは国の王となってもらいたい」
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