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第75話 那津

「ぅはぁ・・・」 びっくりする。びっくりして思わず・・・ 「っ・・・ともちゃ・・っいままでどんなセックスしてきてんのっ」 ビクビクしながら声をあげた。 たぶん腰砕けってこんな感じ。 下半身まだどこも触られてないのに、もう腰がヤられてる。 信じらんない。 「俺じゃなくてお前だろ」 「っはぁ・・?意味わかんな・・」 「お前の身体が敏感すぎんの。ガマン汁も垂れすぎだし」 言いながら、ペロリとまた乳首を舐めるからひゃあってオレは、 自分でも聞いたこともないような声を上げた。 「っちょ・・っ・・もっ・・ソコっ・・触 んな・・で・・」 「俺の好きでいいんだろ」 「っ・・・」 喉の奥で声にならない声 を上げると、 今度は唇が重なって容赦なく舌が絡む。 しばらくそのまま唇が繋がったままでまた、ともちゃんは乳首を指で弾いた。 「喉イキって知ってる?」 「っ・・へ?」 「そのうちやってやる。お前ならすぐ出来そう」 ドクンと身体が反応してピクンとソコが跳ねる。 「ヒトは足の指だけでもイけるらしいぞ。お前ならできそうだよな」 「っ・・・なに・・言って・・っ・・・なんなの・・?」 知らないともちゃん。 知らなかったともちゃん。 「っ・・なんか怖い」 「怖い?」 「なんかめちゃくちゃ怖いっ」 「ばーか」 あの日、酔っぱらって聞いた、 ともちゃんのそれまでの経験人数は、確実に俺よりずっと少なかったのに・・・ 「そぅてぃがいっ」 「なにを騒いでんだよ?お前」 やっぱりちょっと呆れてそうして余裕そうに笑うともちゃんに、 なんだかすべてが適わない気がしてきてイヤになる。 「なんで?淡白なんじゃないの? えっちとかぜんぜん興味なさげだったじゃんっ」 ずっと。 付き合うってなってからもずっと、 ともちゃんはちゅうしかしてこなかったくせに。 今日だってもしオレが、カズに言われて好きだって言いださなかったら、 きっとまだこんな風に抱き合えていないだろう。 それなのに・・・ 「ズルすぎるっ」 「ズルいってなんだよ。言ってるだろ。 同意もなく襲うくらいに、触りたいって思ったのはお前だけだ」 そんなことを言われたら・・・ こんな特別扱いを受けてしまったら。 きっともう戻れない。 戻れなくなっちゃうのに・・・ 「いいから気持ちよくなってろ。 俺は那津の気持ちよさそうな顔が見たい」 「っ・・・だっ・・・からそういうの・・・」 そういう言葉にいちいちやられる。 いちいち敵わないって思って、 いちいち好きが増えてく気がする。 「いいから好きにされて喘いでろ。 いまは彼氏の言いなりになることがお前の仕事」 ほらまただ。 彼氏・・・ 恋人・・・ 特別なヒト・・・ 「触らせて。那津に」 もうずっとずっと・・・ やられっぱなしだ・・・

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