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2.思い出のミックスジュース(1)
翌日、社畜が吐きそうになる月曜日。
昨夜は約束通り、ミオと同じベッドで横になってみたのだが、正直、ドキドキしてよく眠れなかった。
ベッドの中でもミオが無邪気に甘えてきてくれるのは嬉しいし、それであの子のさみしさが紛れるなら何よりだと思う。
しかし、俺はどうしてもミオの中にある女の子らしさを意識してしまうのだ。だから否応にも胸が高鳴って仕方がなかった。
心の中では(この子は男の子だから)と割り切っているはずなのに。
これからもミオと一緒に寝る日々が続くというのに、こんな体たらくで、俺は果たして間違いを起こさずにやっていけるのだろうか。
「おはよう、お兄ちゃん!」
先に起きていたミオが、元気に挨拶する。
「おはよう。ミオはいつも早起きなんだね」
「うん。施設にいた時の癖で、ずっと早起きしちゃうんだよ」
「それって、施設の決まりだったりするの?」
「そうだよ。園長先生が『早起きは三文の得だから』って言い出して、それからずっと朝は早かったの」
まあその考え方は間違ってはいないと思う。少なくとも早起きさえしてしまえば、寝坊で会社に遅刻することはないのだから。
しかもちょっと早めに出勤すれば、通勤ラッシュの時よりも比較的空いた電車に乗れるわけで、鮨詰め状態で押し合いへし合いになってストレスを溜めるリスクも少ない。
そう考えると早起きにはメリットが多い、と言えなくもない。が、それはあくまで、充分な睡眠時間を確保できた上での話である。
今日のように、あまりよく眠れなかった場合の早起きは正直きつい。
もちろん、睡眠が浅くなったのをミオのせいにするつもりは毛頭ないが、今の俺は、気を抜いたら二度寝してしまいそうなくらいにまぶたが重いのであった。
「そうだ……早く朝飯作らなきゃ」
時計の針は午前六時半を少し回っている。俺は寝ぼけまなこをこすり、睡魔を追い払うべく洗面所へと向かった。
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