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35.夏祭りに備えて(4)

「ミオ、ご飯出来たよ。食べよう」 「はーい」  テレビの前で女の子座りしていたミオが、いつものように元気よく返事をする。  今日の朝食はカリカリに焼いた食パン一枚が主食で、ベーコン入りの目玉焼きはメインのおかずになる。  そこにレタスサラダと、コーンポタージュスープを加え、デザートというわけではないが、一応ヨーグルトも用意した。 「わぁ。ベーコンのいい匂いがするー」  ミオが皿に乗った目玉焼きをすんすんと嗅ぎ、幸せそうな表情を浮かべる。  料理が苦手な俺としては、卵料理はスクランブルエッグかこれくらいしか作ってあげられなくて申し訳ないのだが、ここまで喜んでもらえると、何だか救われた気持ちになるから不思議なものだ。 「いただきまーす」  ミオはいつものように手を合わせ、いただきますを言ってから朝食に手をつける。  我が家に迎え入れるまでのミオは、施設による厳格な教育方針のもとで育てられてきたので、基本的なマナーや礼儀はしっかりと叩き込まれているのだ。  だから俺が教える事はほとんど無いし、どこへ連れて行っても何ら恥ずかしくない。実にしっかりしたショタっ娘だと言える。  ただ唯一、気になるのはミオのファッションセンスなんだよなぁ。  何も特段センスが悪いとか、そういう意味で言っているのではなく、あまりにも露出が多いので、変なやつに付け狙われやしないかと心配になるのだ。  今日も、早朝のラジオ体操へ行く時にミオが穿いて行ったデニムのショートパンツは、かなり丈が短いものだったし。  あそこまで際どいラインにもかかわらず、ショーツが一切はみ出ていなかったのは、さらに布面積が小さい下着を着用しているからに他ならない。  という事はフルバックでないショーツを、ミオは今まさに……?  いかん! 想像しただけで鼻血が出そうだ。  確かにミオは男の子だけど、ここまで美少女顔で、かつ、スレンダーなボディラインを露わにしていると、どうしても意識せざるを得ない。  ひょっとして俺は、ショタコンな上にロリコンの気まである変態なのだろうか。  いや違う。俺はきっと、ミオというショタっ娘に魅せられている、ただの年下男子が好きなだけのお兄さんだ。  ――なんて表現を変えてみたところで、結局言葉遊びをやっているに過ぎない。  社会的な観点に照らし合わせると、やっぱり俺は本物のショタコンという判定になっちゃうんだろうな。  俺の事はまあ仕方ないとして、今案じているのはミオの服装だ。  ミオ自身は、いつも愛用している下着や洋服について、恥じらいみたいなものはあるのだろうか。  よし。あまりストレートに聞くのも何なので、それとなく尋ねてみよう。

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