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46.花火で遊ぼう!(7)

「あ。花火が消えちゃった」 「きれいに燃え尽きたみたいだな。じゃあその花火は、ミオが汲んできたバケツの水に突っ込んじゃおう」 「はーい。……あっ、バケツからジュッて音がしたよー」 「うんうん、いいじゃん。その音は、ちゃんと消火ができた合図だからね」 「合図?」 「そ、合図。遊び終わった花火は、まだ先端の方で火種がくすぶっている場合があるから、水が張ってある容れ物に突っ込むと、火が消えた合図でこういう音が鳴るんだよ」 「そうなんだ。初めて遊んで分かったけど、花火ってこういう匂いがするんだね」  さっき俺たちが遊んだ花火の、火薬が燃えた事によって発生した煙の残り香を嗅いだらしいミオが、ぽつりと感想を漏らす。 「独特な匂いだよな。ただ、吸い込みすぎると体に良くないから、天まで扇いじゃおう」  俺は外縁に置いてあったを逆手に持ち、辺りに漂う花火の煙を扇ぎ上げ、空へと追い出した。 「義弘。それはお父さんがやってあげるから、ミオくんに花火の遊び方を教えてやりな」 「ありがとう、それじゃお任せするよ」 「お祖父ちゃん、ありがとう!」 「はっ、ははは。何の何の、これくらい――」  俺の腰に抱きついていたミオに、笑顔でお礼を言われた親父は、どうにも照れ笑いが隠しきれないようだ。  親父にしてみれば、こんなにかわいいショタっ娘の孫からとびっきりの笑顔を向けられ、感謝の言葉までもらっちゃったら、それこそ〝お祖父ちゃん冥利〟に尽きる心境なんだろうな。 「よし。んじゃ引き続き遊ぶとしますか」 「うんうん、遊ぼうー。他にはどんな花火があるのかな?」 「……あ、義弘。念のために言うけど、ロケット花火が入ってても、そのまま中に置いとくんだぞ」  燃え尽きた火薬の煙を扇ぎ出し終え、外縁に腰掛けていた親父が、俺たちに注意を促す。 「ああ、危ないからだね」 「それもあるけど、もし明後日の方向に飛んでいっちまったら、燃えカスを探すのに骨が折れるだろ」 「そっか。じゃあロケット花火には触らないでおこう」  俺と親父の会話中に出てきた『ロケット花火』が何なのか知らないミオは、俺に抱きついたまま、目をパチクリさせている。 「あ。ミオにも説明しなきゃだったな。ロケット花火ってのは、導火線から本体に燃え移ると、勢い良く飛んでいく花火なんだよ」 「そんな花火があるの? 怖いなぁ」

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