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エピローグ7:きみとぼくの再会

幼い頃、オレは、よく夢を見ていた。 何の夢だか、今となっては覚えていないけれど、お母さんが言うにはよく、夢の中の友達の話をしていたらしい。 名前は、なんて言っていただろうか。 お母さんに聞いてもよく覚えていないし、オレ自身ももう覚えていない。 あの頃は、引っ越したばかりで、周囲に友達なんてものは居なくて、ただただ毎日寂しかった。 真っ暗になる夜は本当に怖くて、眠るのも怖かった。 闇に引きずり込まれて、もう帰ってこれないんじゃないかって、不安で不安で仕方が無かったんだ。 それが、いつの頃からか、全然怖くなくなった。 夜は決して真っ暗ではない事を知った事が、始まりだったかもしれない。 夜は黒ではない。濃紺で、空には月は星が瞬いている。 一緒に飛び回ってくれる、頭の良い友人。 そして、そう。 手を繋いでくれる大切な友人も居た。 だからだろうか。 オレは夜が好きだ。今だってふと、用もないのに外へと飛び出して、夜の散歩に興じている。 あぁ、良い夜だ。 あぁ、良い星だ。 あぁ、良い月だ。 そう、オレが夜空を見上げながら散歩をしていると、遠くにオレと同じように空を見上げる一人の男の人が居た。 オレは、彼を遠くに見ながら、とても、とても懐かしい気分になった。 知らない人だ。 けれど、とても懐かしい。 ふと、目が合った。 時が止まったように、オレはその人の目を見つめる。 あぁ、懐かしい、出会いだ。 俺は感じるままに微笑むと、彼の元へと歩を進めた。 ---------良い、夜ですね。 そう、また出会う為に。 【前世のない俺の、一度きりの人生】 本編 了

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