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②:10 *
小さな穴に、無駄に大きな自分の逸物をゆっくりと埋めていく。
すると、佐渡様が声を漏らした。
「あ……っ、んっ」
最愛の方が、俺なんかの逸物で震えている。……抵抗もせず、ただ受け入れてくださっているなんて。
──佐渡様、お慕いしております……っ。
口に出してはいけない気持ちを、必死に飲み込む。こんな気持ち、佐渡様からしたら萎えるだけだ。
性処理用の玩具として扱ってくださるだけでも、構わない。
口付けも許されなければ、必要以上に触れることすら許されなくても、いいじゃないか。
──それでも、俺が抱いている間は【皆のこころちゃん】ではなく【俺だけの佐渡様】なのだから。
「んん……っ! は、ぁ……っ」
佐渡様が、切なげな吐息を漏らす。
狭くてキツイ佐渡様のナカは、いつも熱い。溶けてしまいそうなほどの熱に、俺は思わず体を震わせながら呻いた。
「く、ぅ……ッ! 佐渡、様……ッ」
「あッ!」
佐渡様の体が、ビクリと大きく震える。
佐渡様は目を丸くして、俺の顔を見た。
「な、なんで……っ? 自分の置かれてる立場、分かってる……?」
「わっ、分かっております……ッ」
「ならどうして、もう射精してるわけ……?」
佐渡様のご指摘通り。俺は……佐渡様のナカで、熱を吐き出してしまったのだ。
尊敬している両親に、こんな光景を見せるわけにはいかない。そんなことは、分かっている。……それでも。
「──佐渡様のナカが、気持ち良くて……ッ」
──好きな人と繋がっている快感には、勝てない。
我ながら、とんでもない変態だという自覚はある。両親に幻滅される恐怖より、この状況を楽しんでいる自分がいるのだから、驚愕だ。
佐渡様はそんな俺を、驚いた様子で見つめている。
「……ホント、真宵君ってサイテイ」
「申し訳ありません……っ」
「とか言いながら、ちゃっかり勃起してる真宵君。……ホント、サイテイ」
「ありがとうございます……っ」
佐渡様からしたら、これはお仕置きだ。
けれど、どうしたって……俺にとっては、ご褒美でしかない。
「動きます……ッ」
「あ、ちょっと──ぁあ、っ!」
深く挿入すると、小柄な佐渡様がビクンと体を跳ねさせる。
ゆっくりと引き抜き、すぐさま奥を目掛けて突き挿れた。佐渡様の腰が反射的に逃げようと動くが、すぐに掴んで、引き寄せる。
「あっ、ん! 真宵、君……っ、勝手に……触──あっ!」
俺の家で。
家族が揃うリビングのソファで、崇拝している神のような主が。
家畜である俺の逸物を高貴なお尻で咥えこんで、喘いでいらっしゃる。
「ぁんっ!」
奥深くを突く度に、細い腰が跳ねた。……そんなお姿も、愛らしい。
行為の際、普段は必要以上に肌を晒さない佐渡様が、衣服を全て脱ぎ捨てて、俺の下で俺に抱かれて……。駄目だ。ご褒美要素が多すぎて、脳内処理しきれない。
「真宵、くぅん……もっと、ちゃんと動けないの……っ?」
感慨に耽ってしまい、行為を疎かにしてしまっていたらしい。
自分だけが感じてしまうなんて、愚の骨頂。俺は気を取り直し、佐渡様の腰に手を添えた。
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