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プロローグ
「も……やぁ……」
いつ終わるか分からない嫌いなこの時間。
毎日知らない男の人に抱かれるのが僕の仕事。
「どうですか、このウサギの抱き心地は」
「ピンクウサギが産まれるのは数百年ぶりと聞いて買ってみたが、高い金を出した価値はあるな。流石オメガだ」
「ひゃっ!!」
パチンパチンとお尻を叩かれながら何度も抜き差しされる。
僕が死なない程度ならお客様は何をしても許される。
オメガでピンクウサギの僕はこれでしか生きていけないらしい。
でも、何で生きていなきゃいけないんだろう。
昨夜からのお客様が離してくれたのはもう日が高くなってから。
つかの間の休息、唯一一人になれる外から鍵がかかった部屋から遠い遠い太陽を見つめる。
太陽の光を浴びれる日はきっと来ない。
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