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第1話 《1》

この世界には第一の性である男女と第二の性であるアルファ、ベータ、オメガと六つに分けられる。 大半の人がベータ。 普通の人。 アルファは頭がよかったり身体能力が高かったりと偉い人やお金持ちが多いみたい。 人数は多いわけじゃないみたいなんだけど、僕はお客様のアルファが怖い。 お金を出さなきゃ僕のこと買えないらしくて必然的にお客様はアルファや裕福なベータ男性。 僕の第二の性であるオメガはとても数が少なく男女ともに子供を産むことができる。 卑しい存在の僕達オメガはアルファの子供を産むためだけに生きる存在。 この外見のせいで両親にここのオーナーに売られたのは僕が八歳くらいの時だったのかな。 他のウサギたちは白や黒、茶色の毛色が殆どで僕のようにピンク色のウサギなんて他にいなくて気持ち悪がられ殆ど家からだしてももらえなかったしいないものとしてずっと過ごしていた。 なので歳も両親がオーナーに八歳くらいと説明したから八歳くらいの時に売られて今は十八歳くらい。 ホーランドロップ種のウサギ獣人でしかもオメガの僕は獣型の時も人型の時も体が小さい。 ここに来て知ったことだけどピンクウサギの胸から流れるミルクを飲むと病気が治るらしく僕のミルクを欲しがる人がお金を出すらしい。 だからオーナーとその日のお客様にしか触らせてはいけないし破ると罰を与えられる。 そしてオメガが産む子供はアルファの子供が産まれる確率が高い。 僕もヒートが始まるとどこかのアルファの子供を産むことになっている。 ヒートの時にアルファに首筋を噛まれたオメガはそのアルファと番になってしまうから他の人に抱かれると拒否反応がでてしまう。 まだ僕はヒートがきたことはないけれど、商品である僕は首筋を噛まれないように常に首輪を付けられ首筋を守っている。 勉強もさせてもらえなかった僕は難しい事はよくわからないけど、これらのことは何度も何度も聞かされてきた。 こういうことをしないとオメガである僕が生きていく道はない……けど、そこまでしてどうして生きなきゃいけないのかな?

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