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第4話

樹の部屋に入るなり、ソファに気だるげに寄りかかり、腕を組み、脚を組み、恨めしそうな顔の樹に面食らった。 「おっそいんだよ。いつまで掛かってんだよ」 「え...?」 「鍵閉めろよ、ったく」 ニコニコと可愛らしい笑顔は何処へやら。 ドSな樹がそこにいた。 「さっさと脱げよ。自宅だから仕方なく、部屋着、用意したんだっつーの。意味わかるよね?」 「....え?」 「何度も言わせんな。鍵閉めろ。なんだ?もしかして、アレ?見られたいわけ?うちの両親に」 小柄で細身、笑顔のときは本当に天使かのように可愛らしい、が、どうやら、本当の樹はそうではないらしい...。 互いにゲイであることを察した航平は慌てて、内鍵を閉めた。 「で?次、どうするか、わかるよね? セ・ンセ・イ」 ニヤッと変わらず狡猾な笑みを浮かべる中三の樹に航平は尻込みした。 「わ、わかりません....」 「わかんないの?脱げっつってんだよ、ほら、ちゃんと見せつけるように」 しばし、間を置き、航平はボクサー一枚になった。 「脱ぐ意味わかってる?邪魔なんだけど、それ」 チッと舌打ちし、航平の最後の一枚を忌々しそうに見て、指を差す。 羞恥心の中、ボクサーを脱ぐと慌てて前を両手で隠した。 途端、樹がケラケラと笑い始めた。 「なに隠してんだか。粗チンに興味ないってのに」 カーッと怒りより、遥かに再び、羞恥で顔が真っ赤に染まる。 「面白ーい。茹でダコみたい」 ケラケラと樹が腹を抱えて笑い、そこからは樹のペース。 手招きされたかと思えば、後ろ手に手錠を掛けられた。 「や、やめ...っ!」 そう叫んだ瞬間、バチーン!と尻を叩かれ、強烈な痛みに眉を顰めた。 「防音だから好きなだけ、声出していいからね?」 航平の顔を覗き込む、樹の天使かのような笑顔に、航平は体を震わせた。

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