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第8話

バリタチでSのつもりだった航平だが、中三の樹の方が断然、うわてだった。 拘束され、嫌だ嫌だと犯されているのに、勃起しているのを樹は見逃さず、 「素質あるんじゃない?」 樹の言葉は案外、的を得ていたのかも、と思う航平がいる。 樹の方は全くブレがない。 小柄で細身、見た目も可愛らしいが故に、念の為、樹の父は樹に護身術を学ばせていた。 幾度か痴漢にあったが、樹の痴漢、撃退法。 尻を鷲掴みされたり、撫でられるや否や。 護身術で大の大人を抑え込み、顔がタイプではないので口にタオルを押し込み、背後から痴漢して来た男を犯す。 それが故、いつ痴漢に遭っても大丈夫なよう、常に財布にはコンドームを欠かさない。 「これに懲りたら二度と痴漢なんかすんじゃねーぞ」 溜まり溜まった性欲の捌け口にされ、生まれたての小鹿のように脚をガクガクさせる痴漢男を蹴り上げ、 「あー、すっきりした」 使用済みのゴムは痴漢野郎の顔に投げ捨て、さっさと家路を辿る。 痴漢や変質者が絶えないと噂のあった登下校の薄闇。 幾分、痴漢や変質者は減少したらしいが、もしかしたら、痴漢された代償に犯して来た樹の貢献もあるのかもしれない。 航平は、樹くん、から、樹さま、と呼ぶようになり、服は邪魔だ、と全裸でレザーの首輪、片手はテーブルの脚に手錠で括りつけられ、テーブルで勉強する私服を着た樹の隣に座る。 剃毛され、パイパンにもなり、薄くはあった脇やすね毛も剃られ、維持するよう、樹に命令され、素直に従っている。 早く虐めて欲しい...。 もぞもぞしていると、チラリ、樹が横目で航平を見る。 「なんだ?小便か?」 答えずにもぞもぞする航平に理由はわかっているが、わざと聞く。 「なんだ?もう欲しいのか?コレが」 樹はファスナーを開け、まだ勃起してはないものの自慢の極太をチラつかせ、航平は生唾を飲んだ。 「...全くとんだ淫乱だな」 「....すみません」 樹は股間を直すと、一旦、テーブルを離れ、バイブとローションを持ち、戻った。 「腰を上げろ」 正座している航平に腰を浮かせ、ローションを塗り込み、バイブをぶち込んだ。 「あ、ああ...っ!」 「暫く、それで我慢しろ」 ピシャリ、樹は告げ、正座した腰をくねらせ、一人で悦ぶ航平をたまに見てはほくそ笑み、参考書に齧り付く、フリをした。

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