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第189話◇side*陽斗 8 ※

「……ん、………っ」  キス、深く、重なってきて。抱き締められて。  息が、感覚が、全部奪われてくみたい。  ――――……三上が、好きだなぁ……。  心の中。なんか今、そんだけかもしれない。 「陽斗さん……」  名前を呼ばれて、何とか目を開けて、三上を見上げる。   見つめられて、ただ、じっと見つめ返すと。 「……続けて平気?」 「――――……」  頬に触れられて。優しい声。なんか甘い。ゾクと震える。  さっき、待てないって、言ったのに。  また聞いてくれるのか。  ……苦笑い。 「……メって……」 「ん?」 「……ダメだって言ったら……やめんの……?」 「――――……」  そう聞いたら、数秒固まった三上は、クッと笑って。 「無理だね。やめない――――……じゃあ聞くなって事?」  三上が笑いながら言って。そのまま、首筋に舌が、這う。  ぴく、と震えると。   「……ほんと、可愛い」  囁かれたと思ったら、耳に舌が入ってきて。  急な刺激に、うわ、と思って離れようとしたけれど、いつのまにか回されていた手に阻まれて、少しも動けなくて。 「んっ……」  頭ん中に、直接水音が響いて、ゾクゾクしたものがいきなり体を駆け上がってるのに、その瞬間、乳首を摘ままれた。 「……ひぁ……っ」  こないだ、最中、散々触られて。そこがゾクゾクするのも、もう知ってる。  だめだ、これ……。始めて、そんな経ってないのに。  体、熱い。  一度も触れられても、ないのに、もう下半身、やばい。熱い。  三上に気付かれそうで、ばれないように、腰引こうとしたら。  耳から舌が外れて、ほっとしたのも束の間。頭を押さえていた手に、腰を抱き寄せられてしまった。 「……っ」  首筋を辿って、鎖骨、弱い所に舌が這って、歯で刺激される。  わー、もう、無理。  頭んなか、恥ずかしいのと、なんか、色んなので、ぐちゃぐちゃ。  三上の触れ方って。  そこ、やばいってとこに、すぐ触れてきて。  気持ち良い事しかしない、って。  何でオレの気持ちいいとこ、そんなに分かるんだ。  まだ、こんな風にするの――――……そんな回数、してない、のに。 「……ふ……っ――――……ぁ」  抑えようとしても。  声が、どうしても、漏れていく。 「……み、かみ……」 「――――……?」  呼んだら、三上がふと顔を上げて、オレを見つめた。 「ん? なに、陽斗さん」  目が合うと。  ……愛しそうに、瞳が緩むから。なんか。それを見つめてると。  ずく、と、体の奥が、反応する。 「……なんか」 「ん?」 「……こないだより」 「うん」 「――――……気持ち、良いのが……」 「――――……うん?」  三上が首を傾げたのが、分かったけど。 「……やば、いんだけど……」  ちょっと、オレ、怖いと言うか。  ……なんか1人ですぐいっちゃいそうで嫌なんだけど。  ほんとに言いたいのは、そっちだったけど、さすがに言えなくて、濁したら。三上は、オレをマジマジ見て。  それから、黙ったまま、自分の前髪を掻き上げて、そこで固まる。 「――――……めちゃくちゃに、抱かれたいの?」  見下ろされて、じっと見つめられて。  え。違うけど……と、びっくりして、三上を見つめてると。 「あーもう。……違うのは分かってるよ」 「――――……」  クスクス笑いながら、オレにキスして、 「だめだ、もう ――――……マジで、あんた、可愛いな……」  ちゅ、と頬にキスされる。 「……触るよ、陽斗さん」 「――――……っ」  手が、躊躇なく、ズボンの中に入ってきて。  下着の上から、なぞるように触れられる。 「……っ……」 「――――……なんか。めちゃくちゃ反応良いね」  嬉しそうに言って。そのまま、三上がまたオレの首筋に顔を埋める。  首筋吸われると、下が、ビクビク反応するのが分かる。 「――――……んん……っ……ッン……」  だから。  そんなに強く、されると。  ヤバいって、言いたかった、のに……。  涙が滲んできて。三上の服、握り締める。

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