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第194話◇反省タイム?
めいっぱいキスしながら、手で触れ合って。
最後は、また、お互いのをくっつけあう感じにして。
めちゃくちゃ可愛い先輩と、気持ちよくなって。
で。ちょっと。まあ、後始末を終えた辺りから。
反省タイム。――――……らしい。あ、オレの反省タイム。かな。
「だから……なんで三上は、自分ばっかり、するんだよ」
……若干、怒っている。――――……らしい。
「何でオレがするのは、今度なの? 何で三上は」
――――……怒ってるらしい、んだけど。
だめだ。
口元、手で押さえたんだけど。
吹き出してしまった。
「……あ、っと、すみ、ませ――――……」
だめだ。笑うしかない。一回笑ったら、余計おかしくなってきてしまった。
もう無理。
そんな赤くなって、ベッドの上で、体育座りみたいな座り方で、一生懸命文句言われても。可愛いしか無くて、マジメに聞けない。
笑い出したオレに、ますます赤くなって、キッとオレを睨んだ先輩を。
オレは引き寄せて、抱き締めた。
「……っ離せよ」
「ああ、ごめんね、笑って。――――……もう、可愛くて」
「……バカに」
「してないよ。 バカになんかしない。 可愛いんだってば」
離れようとする先輩を、むぎゅ、と抱きしめ直して、包み込んでみる。
ぴた。と動きが止まった。
「――――……ごめんね、なんか……陽斗さんにさせるのとかさ」
「――――……」
「考えただけでもヤバそうで」
「……ヤバいって何が」
「――――……」
「……そりゃ、うまく、出来ないかもしれないけど」
はい? ……何だって?
意味の分からない言葉に、抱き込んだ先輩を、じっと見下ろしてしまった。
「……しょうがないじゃん、初めてするんだし」
「いやいや……何の話」
「もっとゆっくりできる時にって…………オレのじゃ、時間かかるってこと?」
いや。
……え?
まさか、先輩が下手だから、時間かかるから、ゆっくりできる時にしてッて、オレが言ったと思ってンの?
嘘だろ。
「陽斗さん、全然意味が、ちがうって」
「……れ……練習、するし」
「――――……」
またまた、先輩をじっと見つめてしまう。
「え。練習してくれんの? ――――……って、だから、違うってば」
「……っ何がだよっ」
ぐい、と背中抱き寄せて、上向かせて。
「……陽斗さんにそんな事されたら、オレの収まりがつかなくなって、明日仕事なのに、めちゃくちゃにしそうだったから、やめてもらったんですよ」
「――――……」
しーん。
ただひたすらに沈黙が流れる。
「な……っ何言って……っ」
赤くなって、口ごもるとか。
――――……つーか。まじで、ほんとに。
「つーか、オレ、そんなの想像しただけで、今すぐたちそうですけど」
「……………っっっ」
何なんだ、もう。この程度で、赤くなって何も言えなくなるとか。
その反応ってもう――――……。
「キス、させて」
「――――……」
じっと、オレを見上げて。
怒ってんのかな。ちょっと。
でも。頷かないけど、拒否らない。
ふ、と口元が綻んでしまう。
「陽斗さん」
近くで、ゆっくり名を呼ぶと、先輩の表情も、ふ、と和らぐ。
そっとキスすると。
じっとオレを見つめていた先輩が、自然と瞳を伏せる。
優しく触れて、離す。
頬や額や、また唇。軽くキスして、また離す。を繰り返していたら。
肩に先輩の手が触れて、ぐい、と引かれて。
「――――……ちゃんと、しろ、よ」
重なってきた唇から、そんな声が聞こえて。
本気で可愛くて。
唇、深く、重ねさせた。
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