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第193話◇また今度※

「……あおい……」  一度呼んだら。  うわごとみたいに、名を繰り返して呼ばれる。  ヤバい。  死ぬほど可愛い。 「んっ……ン、ふ……っ」  京都以来だけど。――――……男のモノ、触るとか。  それでこんなに、興奮するとか。……あぁ、オレ。マジでヤバいな。 「陽斗さん……イきたい?」 「……っ」  小さく頷いて、肩に、額を押し付けてくる。 「口が良い? 手が良い? ――――……オレのと、合わせる?」 「――――……っ」  先輩は顔をあげて、オレをじっと見て。  何て答えるかなと思ったら。「無理」と言った。  ――――……無理って。  ふ、と笑んでしまう。 「何、無理って? 嫌?」  そう聞くと。む、と口を閉じて。  それから。 「……っ選ぶ、とか……」  ――――……ああもう可愛すぎる。  思わず、よしよし撫でてしまう。 「じゃあちょっと――――……そのまま、感じててね」  言って、下がって。   手の刺激でもう十分昂ってたそれに、キスした瞬間、びく、と震えて腰を引こうとした先輩。逃がさないで押さえつける。   「――――……っや……」    ゆっくり、舌を這わせてから、口の中に取り込む。  あがった声は、そこで止まって、そのまま静か。  ――――……多分、また唇、噛みしめてるんだろうな……と思いながら、続ける。 「……っふっ…………ん、あ、おい……」  息も止めてそう。  たまに、抑えた声が漏れる。    その中で名前、呼ばれるとか。  可愛くて、しょうがない。 「……っ……」  少し顔を上げて、先輩に目を向けたら。  口を手で塞いで、完全に顔を逸らして、強張ってる。  可愛くて。  もういかせてあげようと、刺激、強くすると。   「や……だ……っ……」  焦ったみたいに、今度はこっちを見るけど。  目が合った瞬間、かあっと真っ赤になって。ぎゅ、と目をつむった。 「……や、だ……はなし――――……」  先輩は再び口、手で押さえて。  オレに開かされた脚が、びく、と大きく震えて、強張った。 「――――……あ…………」  はあ、と息を吐いて。  すると、先輩、すぐに起き上がって。 「――――……っ」  口元拭ってるオレの顔に触れて。じっと顔を見つめてくる。  めちゃくちゃ涙目で。 「…………っっ」  何か言いたいらしいけど、何やら言葉も出ないらしい。 「オレ、したくてしてるんですけど……」  苦笑いが浮かんでしまう。 「そんな訳……」 「したくないこと、しませんてば」 「…………っ」  目、潤みまくりで、泣いてる……。  なんかもう、可愛すぎる。   「つーか、先輩のしてて、オレ、興奮するんだし。嫌な訳ないでしょ」  そう言うと。先輩は、ふ、とオレの下半身に目を向けて。 「――――……じゃあ、オレも、する」 「え?」 「なんか、三上ばっかり」 「するって?」 「三上ばっかり、ずるい」  ずるい?? 「口で、するから」  ――――……えーと。 「嘘でしょ?」  え、オレはしたくてやったけど。  先輩の口にこれ、入れるとか……無理過ぎるんだけど。 「何で嘘なの。貸して」 「え、貸してって――――……無理だってば」  ズボン、少し下ろされて、先輩の前に――――……。 「ちょっと待って、マジで無理」 「ずるいだろ、オレばっかり、恥ずかしいしっ」 「そういう問題じゃないし」 「…………っ」  むむむむー、と涙目。 「するからなっ」  言って、意を決したような顔で、オレの肩をちょっと押して、  口を寄せ――――……。  「――――……っ」  ぐい、とオレは、先輩を押し戻した。 「っまた、今度にしてください」 「……今度って、いつ――――……」 「とにかく、今日は無理」 「……っずる――――……」  ずるい、と言おうとしてるらしい、先輩の唇を塞いで、深くキスする。 「……ん、っ……! んー!!」  なんか、すごく、文句言ってる。が。  つか無理。  ――――……先輩の口に入れるとか、考えただけでも、無理。  んな事されたら、今日、寝かせてあげない気がする。  無理無理。  明日仕事。 「――――……もっとゆっくり最後までできる時に、して?」  絡めた舌を解いて、そう囁いた。  また赤くなった、先輩にまた深くキスする。 「手で、触ってよ」  また囁くと。よく分かんないけど、一応納得してくれたみたいで。  恐る恐るといった感じで、手が触れてくる。  触る位で、そんな可愛い感じのくせに、どーして口でするとか言い出すんだ。もー。ほんとに……。  あー、もー、無理。 (2022/3/26) ◇ ◇ ◇ ◇ ちょっとお知らせ♡見たい方だけ♡ ブログで書きましたが。 この2人がコンテストで優秀賞、頂きました(*´ω`) いつも読んで下さって。ありがとうございます♡

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