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第192話◇「意地悪?」※

「――――……ん、ン……っ……ん……」  コーヒー。飲ませてあげようと思ったのに。  落ち着こうと、思ったのに。  ――――……なんか、ものすごく可愛く、キスされて。  ベットに連れてきてしまった。 「――――……ん……っ」  キスする。  先輩に触れる。 「……ん……っ待っ、て……」  弱い制止の声を、キスで塞ぐ。 「――――……ごめん、待てない」  めちゃくちゃキスしてるから。あっという間に興奮して。  ヤバい。 「陽斗さん――――……」  首筋の弱い所、唇でなぞって、人から見えない所に痕をつける。 「……っ……ん、んん……」  嫌がってはいないのは、分かる。  喘ぐ声、甘ったるい。  自分でどんな声出してるのか……分かってんのかな、この人。 「三上……」  名を呼ばれて、その唇を塞いで、キスして、舌を絡め取る。 「……ん、ふ……」  鼻にかかる甘い、声。可愛くて、しょうがない。  どこまでなら、いいのかな。  ――――……明日会社だし、最後までしないけど。それでも……。  そう思って、続けて平気か聞いたら。  ダメだって言ったらやめるのかと聞かれて。  ――――……ああ、もう。聞いてあげてんのに。  ほんと。   「……ほんと、可愛い」  耳が弱いの、分かってる。  囁きながら、耳に舌、這わせて刺激すると。びく、と震えた。  逃げようとするけど、逃がさない。 「んっ……」  逃げれないけど、少しでも、耳、離れようと動く先輩。  服の中で肌に触れてた手で、乳首を摘まんで、刺激した。 「……ひぁ……っ」  ――――……ここが弱いのも、分かってる。  最初から割りと反応良かったのを。散々いじったし。  ん、と喉の奥で、声が漏れる。  ……可愛い。  逃げようとする腰を抱き寄せて、首筋から鎖骨に、舌と歯で刺激していく。 「ん、んン……」  肩に、先輩の手がかかる。 「……み、かみ……」  止めたいのかなと、思って、顔を上げて先輩を見上げる。 「ん? なに、陽斗さん」  目が合うと。  なんか、そんな雰囲気じゃない。  とろん、として。めちゃくちゃ可愛い顔してて。  しいて言うなら、気持ち良くて戸惑ってるみたいな顔してて。  ――――……可愛い。  思わず、にこ、と笑ってしまうと。 「……なんか」 「ん?」 「……こないだより」 「うん」 「――――……気持ち、良いのが……」 「――――……うん?」  ぽそぽそと、恥ずかしそうに話すのがたまらなく可愛くて。 「……やば、いんだけど……」 そんな可愛い顔で、ヤバいとか、こっちがヤバいんだけど。 落ち着け。思うんだけど、色々もて余して、髪を掻き上げて。静かに息を吐いて。 「――――……めちゃくちゃに、抱かれたいの?」  思わずそう聞いた。 そしたら案の定、え、と固まって。 「あーもう。……違うのは分かってるよ」 「――――……」  クスクス笑ってしまう。 そんなつもりで言ってないのは分かってる。ただ、ほんとに気持ちよくてヤバイと、思ったんだろうけど。 ――――……もうそれが、ほんとに可愛い。 「だめだ、もう ――――……マジで、あんた、可愛いな……」  ちゅ、と頬にキスして。  もう、何も考えられないくらいに、気持ちよくしてあげようと、思ってしまった。 とっくに熱くなってる先輩のに触れると、容易く反応して、涙目の先輩がしがみついてくる。 「や……ン……」 喘ぐ声が可愛い。もっと、喘がせたいと思って性急に触れると。 きつい快感に、目をつむってる先輩。 「ん、ぅ……っン……」  しがみついてる、先輩が、震える。     「……みか、み……」  声を潜めて、オレの名を呼ぶのが可愛くて。もうイきたいんだろうけど。  ふと。――――……ちょっと意地悪、したくなる。 「蒼生、て呼んで」  囁きながら、首筋を舌で刺激すると、手の中のが反応する。 「……んん、っあ」 「早く。呼んで?」 「――――……あお、い……」  涙目で、必死に見上げてくる。 「もっかい」 「……蒼生、てば――――……ん……」  ぎゅう、と目をつむると。涙が零れる。  ――――……あーもう。  何でこんなにかわいーの。

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