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第251話◇涙。 ※

「……ンん……ッ…………あ……っ」  何で、こんな、可愛いんだろ。  緩い突き上げを繰り返していると、快感に耐えられなくなるみたいで、たまに声も出せずに唇をかみしめる。キスして、解いて、声を出させる。 「……っあ……ッ……んん、ぅ……」  乳首も、何度もイってるそれも、首筋も。  感じる部分は、あちこち刺激しながら、中を慣らす。  慣らす、というか、そのつもりでやってるけど、もう、大分受け入れてくれてて、痛そうではないし、軽く中でイくたびに、締め付けられて、本当に、感覚がヤバい、としか言えない。 「……陽斗さん」 「……っ……?」  少し体を上げて、顔をまっすく見下ろせる位置に移動する。 「……ん……?」  はあ、と熱い息を堪えるように、唇を少し噛んで、潤んだ瞳で、オレを見上げてくる。  なんか、視界的に色っぽさ全開で、刺激的過ぎて。  一瞬、何で呼びかけたのか、忘れてしまう。  ますます興奮して、それが下半身に直結する感覚は、ほんとヤバいなと、自分のことを思いながら、ただ視線を外せずに見つめていたら。 「……っ……おま、えの……」 「……え?」 「……か、たすぎ……も……へん、になる……」 「――――……っ」  自分の口元に手の甲を当てて、息を殺しながら涙目で言ったセリフが、それ。 「~~~~……っ」  まだ、慣れてないと思ってて、少しは手加減しなきゃと思ってるのに。  ゆっくり、しようと――――……。 「……っ……ん、あっ……!」  一度、少し強く突き上げてみると、悲鳴みたいな、声を出して、全身ビクついた。  下に触れて、精を零したそれに触れると、びく、と震える。 「……陽斗さん、イった?」 「……っは……っ……も……焦らす、から……」  涙が零れてくるのを止めることもなく、オレを見上げて、辛そうに荒い息を顰める。  今は、焦らしてた訳じゃなくて、慣らしてるつもりだったけど。 「……今からが、本気」 「……っ」 「……本気で辛かったら、オレのこと、止めてね」 「――――……」  オレの言葉に、先輩は、涙目のまま少し笑う。 「……蒼生の、好きで、いいってば……」 「――――……」  ……オレが呼んでと言ってないのに、蒼生って呼んで。  恥ずかしそうな顔をしてるし。  ……最大限に煽ってくンだけど。ほんと……。  一度ギリギリまで引き抜いて、今度は一息で、中まで押し込む。 「……っンん……あっ……」  そのまま何度も繰り返す。  揺すられるまま、短い喘ぎを繰り返すけど……それが、苦痛じゃなくて、ちゃんと甘いことは、分かる。  仰け反る顎。首筋が綺麗で、唇を寄せて、あとをつけてく。 「……っん、あ……」  また少しだけ上がった顎を捕らえて、深く、舌を絡め取った。  脚を大きく割らせて、奥に。 「ひ、ぁ……ッ……!」  舌が外れて、口の間で漏れる悲鳴も、煽られるだけ、で。  腕を回して、頭を腕の中に、外れないように深く口づける。  横向きで、先輩の脚を上げさせて、中の気持ちいいところを突くと、キスの間から、甘い声が、漏れる。 「……っふ、ぁ…… ん、ん ……」  ――――……凛としてる、会社での姿が一瞬よぎる。  今はもう、快感を持て余して、蕩けてる。  眉が下がって、涙でいっぱいの瞳が、オレだけを見つめて、縋りついて、キスに応えてくる。  どんどん、快感が高まって。  多分、ほぼ同時に、イって。  まだ、貫いて、抱き締めたまま。 「……っふ……あ、おい……」  浮かされたみたいに、オレを見上げるのが。  本当に、愛おしくて。 「陽斗さん――――……」    ふわ、と浮いて、オレの頬に触れた、少し震えてるその手を掴んで、それごと、抱き締める。 「あおい……?」  どうしたの? 言いたげな、声が聞こえて。  もうほんと、たまらなくなって。       「……すっげえ好き」  全部、その言葉に詰めて伝えて。  きつく抱き締めると。 「……うん」  頷く声がして。  まだ震えてる手が、オレの首に、絡みついてきた。  ……なんか――――……絶対、死んでも言わないけど。  涙が、滲んできた。  

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