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第254話◇番外編◆クリスマス🎄1
ふと目が覚めると、腕の中に、大好きな人。
……長い睫毛が目が留まる。
……綺麗だな。
「……」
しばらくじっと見つめてしまう。……ほんと、綺麗。
陽斗さんは、なんだか本当に、ギャップ……が色々あると思う。
会社のこの人は、皆に憧れの目で見られてる。それは絶対。
カッコいいし、仕事できるし、優しくて、尊敬されてる。
兄貴とペアでさんざん色んなことしてたのも、皆が知ってる。……でもって、その兄貴は次期社長だし。もう、出世街道まっしぐら、みたいな感じで見られてると思う。
……まあ間違いじゃない。ていうかまあそのイメージそのまんま、だと思う。
女にもモテてるのは知ってる。今まで普通に女と付き合ってたんだし。
モテすぎちゃって引いてたと言ってたけど。……引いててくれて良かったなぁと思う。……じゃなかったら、オレ達がこんな風になることは、絶対無かっただろうし。
……まあとにかく、引いてようが何だろうが、今もモテまくってる。
……だけど。
……この人は、対オレ、だと。
なんというか、恋愛が初めてなのかなと思うような、そんな感じ。
すっとぼけたこと真顔で言うし。
かと思ったら、超素直に、甘えたり。口走ったり。
驚いたり赤くなったり、忙しい。
でもって……抱いてる、時は。
――――……ほんと、色っぽい。
ちゃんと付き合ってくれてからはもう、迷いもないみたいで。
素直だし。求めてもくれるし。オレが、すげえがっついてる時なんかは、許してくれる、みたいな。……でも反応、いつも、可愛いし。
……何言ってんのオレ。
朝から、すげえ、好きって再確認しっぱなし、みたいな思考……。
……なんだこれ。
少し恥ずかしくなりながらも、じっと顔を見つめていると、ふ、と笑んでしまう。
――――……ただ寝てるだけの時は。
なんか、無邪気な顔してる。
まつげ長くて、寝息、安らかで。
ただ、ものすごく、綺麗。
神聖な、ものみたいな。
ああ、なんか。
腕の中で、眠ってくれるとか。
……オレのになってくれたんだなと思うと。
幸せすぎて、叫びたくなるような気がする。
……初めてのクリスマス。
――――……何、しようかなぁ……。
でも今日、すげえ冷えてる感じするし。
……ずっとベッドに居ても、全然いいな……。クリスマスっぽいことなんか、何もしなくても、幸せな気がするけど。
…………でも嫌かな。この人は。
ちゃんとクリスマス、したいかな……どうなんだろ。
そういうの大好きだったりするのかな。好きそうな気もする……。意外と子供っぽいとこもあるし。……可愛いし。
陽斗さんが目ぇさめたら、聞こう。
そんなことを考えながら、腕の中の存在をただただ見つめていたら。いつの間にか、眠ってしまった。
(2022/12/28)
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