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第266話◇呼び捨て ※

 粘り気のあるローションを、指に絡ませて陽斗さんの中に埋める。 「――――……ッ」  思うより柔らかくて、中まで入る。……昨日、散々シてたからかな。ぎゅ、と絡みついてくる熱い中を慣らしていく。  後ろの刺激で感じてる、陽斗さんのにキスして、舌を這わせた。 「……あ、っ……!」  フェラ、嫌い、というか、オレにさせたくないみたいで。  いつも逃げようとする気がする。  でも、後ろに指が深く入ってるし……そう簡単に逃がすわけもなく。 「……や、ぁ……っ……」  口の中に入れてしまうと、「……ん、あ」と言ったきり、声もかみ殺している。後ろは指を奥まで挿し入れて、中で動かすと、腰がびく、と揺れて、先走りが零れてくる先端を舐めとる。 「……っや……」  イきそうかな。口から出して、手で扱いて追いたてる。  後ろから指を抜いて、ゴムを手早くつけて、陽斗さんの後ろにあてがう。  脚を開かせて、追い立てながら、体をあげて、首筋にキスする。 「ん、ん……っ」  もうなんか……どこかしこも、敏感で。  何をしても、反応が可愛い。 「……陽斗さん」  耳に唇を寄せて、舌を中に入れる。   「イっていいよ」  囁いて、最後強く扱くと、陽斗さんの体が強張る。 「……ん……ぁ?」  イったと同時に、脚をさらに割って。何をされるかまだ分かってない陽斗さんに、オレのを奥まで突き入れた。 「……!!」  前でイったばかりで完全に油断してた陽斗さんは、ぎゅ、と目をつむってから、ふ、と息をついた。 「……陽斗さん」  深くキスしながら、中を突いて慣らしていく。 「……っあ……! ン……っ」  突く度、キスの間から、甘い喘ぎ声。  たまにオレを見上げる瞳は、ぽろぽろ涙をこぼして、また伏せられる。  可愛い。……マジでヤバいな。 「……う、んっ…………っひ、ぁ……っ」  ぎゅ、と抱きつかれる。  激しめに動いていると、荒い息で喘いで、仰け反る首筋が、とても綺麗で。  緩く、噛みついて、舌で舐めあげる。 「…………っ」  ビクビク、震えて――――……またイッたかな。  中だけでも、気持ちよくなれるみたいで、きつく締め付けてくるから、それが分かる。 「……あ、んん ……っ……みか……」  名を呼ばれて、組み敷いてる陽斗さんを見つめると。  ……それはもう何というか。ほんとうに、色っぽい。  上気した頬。涙をためて、ウルウル泣いてる。寄せられた眉に、噛みしめては解ける唇。  汗が前髪を額に張り付かせている。 「……ふっ……ん……っあ……」 「どうしてほしい? 緩い方が好き? 深く?」  陽斗さんの前髪を掻き上げながらそう聞くと、きゅ、と唇を噛んでから。 「……ふ、かく……がいい」 「ん。了解」  ギリギリまで抜いて、そこからか、一気に奥まで。  きつく、締め付けられる。 「――――……陽斗さん……」 「……っ」 「一回呼んでもいい……?」 「……? な、に?」  見上げてくるの、可愛い。 「……陽斗」  ちゅ、と頬にキスしながら、耳元で囁く。  呼び捨てで名を呼んだら、びっくりした顔で見つめられて、その後。ウルウルした瞳のままで、ふ、と笑顔。 「……あおい……」  笑みを含んだ声で呼ばれて、ぎゅ、と抱きつかれる。  ……呼び返してくれるし。息が荒い中、笑ってるの、超可愛いし。  ――――……あー、ヤバい。  可愛すぎて、ほんとヤバすぎる。

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