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第265話◇マジで無理 ※
「でもなんか可愛いの限界なんで……最中は、ほどほどにしてくんないと、止まんなくなるかも」
ほんとにそんな感じで、一応言ってみると。
「最中ほどほどって、何?」
そう言って、陽斗さんは、笑うけど。
「煽ったの、陽斗さんだからね。オレ、我慢、しようとしてたのに」
思わず言ってしまうと。
「……ん。そう、だよ」
クスクス笑いながら、オレの首に手をかけて、またキスしてくる。
「三上がオレを抱いてるとこ、好き、だから。見たくて。気使ってくれてたのに、ごめん」
予想外の言葉に、もう――――……ただヤバい。
「何それ。抱いてるとこ好きで見たいとか……すげーヤバいこと言ってる自覚ある?」
なんかもう、マジで熱くなってくる。
「……でも、見たいし。しょうがないじゃん」
「遠慮、しないですよ」
「うん。……あ、でもちょっとだけ優しく……」
「……ごくごく、ちょっとね」
言いながら、オレはシャツを脱ぎ捨てる。
もう、なんか、熱くて着てらんない。
「――――……」
なんか今更、陽斗さんは、固まるけど。
「……急に、男っぽくなんの、ズルいよな、三上」
「――――……つか、どー考えても、陽斗さんのせいじゃん」
今更過ぎる。
陽斗さんの腕を掴んで、組み敷くと、陽斗さんがオレを見上げて。
「……っなんか、すっごいドキドキしてきた」
本気でドキドキしてそうな顔でオレを見つめてくる。
つか今まで誘って煽ってきてたの、オレじゃなくてほぼ全部あんたですけど。オレがどんだけ、無理させないようにしてたかっつー話だし。
「……何それ、可愛いし……つか、もうマジで、無理」
可愛すぎるセリフをこれ以上聞いてるとヤバいので、オレは陽斗さんの唇を、本格的に、深く塞いだ。
「……っ……ん……」
くぐもる声。
――――……この人、マジでオレの、でいいのかな。
……ていうか、オレの、なんて言ったら、だめかな。
さっきからこの人が言ってたこと、可愛くてたまんない。
……なんだよ、抱くオレが好きとか。見たいとか。ヤバい位、興奮しちまってるし。
陽斗さんは、男なのに。
……オレ、男になんか、全く興味なかったのに。
「……んっ……ふ、ぁ……」
めちゃくちゃキスしながら、下半身に手を滑らすと、もう反応、してる。
「……っ」
すり、と柔らかく触れると、びくん、と震えて、キスが少し離れた。あ、と声の漏れた唇を塞いで舌を絡めて、服の上から、くすぐる。
「ン……っ……んん」
……何でこんなに、可愛いんだろ。
可愛いっつーか。
「……陽斗さん、ちょっと」
「……ん、ン?」
「早く挿れたい。……良い?」
「――――……」
上がってる息を押さえながら。
頬が少し赤いまま。陽斗さんは、オレを見つめて、ふ、と笑う。
「ん」
頷いてくれたのを確認して、下を脱がせる。
男のモノ見て、興奮する日が来るとは、ほんと、少し前まで思わなかった。
ふ、と息を吐く。
興奮しすぎて、ヤバいっつーの……。
もう、顔も声も、カッコいいとこも、なんか抜けてて可愛いとこも、すげー好き。
「……ちょっとは、慣らして?」
――――……つか。
上目遣い、多分無意識なんだろうけど。遠慮がちに言われると。
すごいクるんですけど。
「……大丈夫、痛くするわけないし」
そう言うと、陽斗さんは、ん、と少し笑んで頷く。
だめ。無理。
今すぐ、繋がりたい。とか。……衝動がヤバいのは全部、この人のせいな気がするんですけど。
反応、ウブなくせに。もうほんとに。
こんな時なのに、ため息をつきそう。いや、つかねーけど。
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