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【16】-1
背後から胸の飾りを摘ままれて身体が丸くなる。
あ……、と短い声が零れると、清正が嬉しそうに笑った。
「ここ、敏感になったな」
灯りを落としたリビングで身体をまさぐられていた。ゆっくりとシャツのボタンが外され、うなじに唇を押し当てられる。
ん……、とまた、抑えきれずに甘い息が零れ落ちた。
清正が紙の手提げ袋いっぱいのチョコレートとともに帰宅したのは、十時を過ぎた頃だった。
相変わらずたくさんもらうのだなと、何の気なしに呟いた。
嬉しそうに笑った清正が、気になるのかと聞くから、別にそんなことはないと答えたのに、清正は勝手にヤキモチだと決めつけた。
違うと言って睨んだ光を、そのままリビングのソファに押し倒し、今に至る。
「あ……、清正……」
シャツが床に落とされ、背中をちゅっと強く吸われた。
腰にも脇腹にも赤い痕が刻まれている。胸や下腹部に付けられた痕は、清正がそばにいない時にも目に入り、清正の指や唇の感触を思い出させて光を悩ませた。
汀を風呂に入れる時に、痣に似た鬱血を痛くないかと心配されて、とてもいたたまれない気持ちになった。
「痕、つけるな……」
「無理」
毛足の長いラグにうつぶせにされ、下着ごと緩いボトムを下ろされた。あらわになった尻にも清正は唇を這わせる。
「清正、やだ……」
「ここも、すげえ可愛い」
身体の中で唯一やわらかい二つの丘をやわやわと両手で掴まれ、もう一度、「嫌だ」と吐息を零して首を振った。
「なんで、そんなことするんだよ……」
「早く、ここも欲しい」
質問に答えていないと振り向くと、仰向けに身体を返されて唇を吸われた。
熱い舌が侵入してくる。自分からも舌を絡めて、深いキスを味わった。中途半端にまとわりついていた衣服を剥がされて、一糸まとわぬ姿になった。
「光、綺麗だ」
「バカ」
晒された中心が心細くて片膝を立てて隠す。口づけを繰り返しながら、清正の手は肌の上を何度も上下に滑り、下腹部を辿って、緩く兆し始めたその場所を包んだ。
「あ……」
自分だけ乱されてゆくのが嫌で左右に首を振った。
「清正、……っ」
「光、どうして欲しいか言って」
口づけの合間に聞かれる。光は切れ切れに望みを口にした。
「清正も……、脱げ……」
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