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【18】ー3
光の足の間で熱いものが弾ける。
何をされたのかよくわからないまま、光はただ、「いやだ」と言って泣いていた。
達していない光の中心を清正の指が包み、時間をかけて丁寧に刺激する。「泣くな」と甘く囁き、「悪かった」と笑いながら、舌で優しく涙を舐める。
「うう……」
「好きだよ。可愛い」
「う、嘘だ……」
「なんで」
可笑しそうに笑った清正は、忘れさせてやると言った通り、光が何も考えられなくなるくらい甘い愛撫を繰り返した。
身体中を清正の指と舌が滑ってゆく。抱き起こされ、膝に乗せられて、背中から胸と中心を刺激された。
「あ、あ、もう……」
「もう、どうしたい? 手でイかせて欲しい?」
ヤダ、と吐息を吐くと、また涙が溢れる。
耳を噛まれてクスンと鼻が鳴った。
指で丸い円を作った清正の右手が光の膨らみを上下に擦り、左手の指が胸の飾りを摘まんで弾く。
光は何度も嫌だと首を振った。
泣きながら、高みに昇りつめた。
可愛いなと繰り返して清正が背中から抱きしめる。
優しいキス。
耳元で「好きだ」と囁く。
そこに嘘の気配は感じられなかった。
だから、あれはきっと、何かの間違いだったのだと光は思うことにした。
聞き間違いだ。
汀の言葉をよく聞き取れなかっただけだ。
そう自分に言い聞かせた。
それでも、心の隅に潜んだ不安は、完全に消えてはくれない。
ヨイオモロシュ……。
ほかに意味を結ばない汀の言葉は、いつまでも耳に残った。別の意味を探して、どうしてもそれを見つけられないまま、心に深く沈み込んでいった。
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