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一抹の不安

 掃除したばかりなのにっ、と心の中で文句を垂れたが須藤の突き上げるような動きにそんな不満も吹っ飛んだ。 「あっ、やっ、あっ、あっ、あっ、んっ」 「……めちゃめちゃ気持ちいいんだけど」 「あっ、あっ、あっ、いや、俺もだって」 「ん……これ、ヤバいわ」  須藤がそう呟いて慎弥の尻を鷲掴みにすると抽送をマックスに上げてきた。 「ああっ、あっ、あっ、うぁっ……ああんっ」  これ以上突かれたら本当にヤバい、と思ったその時。んっ、と須藤が小さな声を立てて果てるのが分かった。須藤が動きを止めてもなお、慎弥の中はじんじんと熱さを保ったままだった。  繋がったまま、須藤の腕が体に回ってきてぐっと引き寄せられた。体を起き上がらせて振り返る。 「ん……」  須藤と自然と唇を重ねる。一通り舌を絡ませて、そっとどちらからともなく離した。目の前で須藤がふっと笑った。 「……凄え良かったわ」 「……良かったけど……ゆっくりじっくり言ってた割には速攻だったな」 「中村がエロ過ぎて我慢できなかった」 「変なクリーム使うからだろ」 「それくらいしないと中村が吹っ切れねーかなって思ったから」 「…………」  なんだ。俺が不安に思ってたこと、分かってたのか。 「……おかげさまで。なにもかも吹っ飛びました」 「それは良かった」  ゆっくりと須藤が繋がりを断った。中を移動していく刺激に、また慎弥の中が反応する。 「あっ……」 「……凄いな。まだビンビン?」 「まだどころか、酷くなってるかも……」 「……最高じゃん」  そう言って、須藤が正面から慎弥を抱き締めてきた。耳元で楽しそうに囁かれる。 「朝まで楽しみだな」 「…………」  その言葉に、一抹の不安が頭をよぎった慎弥だった。

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