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 俺の全てで泉を感じさせてやりたい。自分が気持ち良くなるより、泉が感じている顔が見たい。  そっと可愛いそれに唇を寄せると、一段と泉の体が跳ねた。その様子に気を良くして更に悪戯を仕掛ける俺をよそに、泉は俺の腕から逃げようとする。 「ちょ、壱人。ほんと少しだけ待てって」  抱きしめる力が僅かに緩んだ瞬間を見計らって、泉が俺の胸に突いた両腕を突っ張りながらそんなことを言ってきた。 「んんっ……」  待てと言われても、今更無理だ。返事の代わりに再び泉の唇を塞いだ。さっきまでのただ触れるだけのお子ちゃまなキスじゃなく、本気のキス。くちゅりと水音が立つような激しいそれに、必死でついて来ようとしている泉が可愛い。  さっきまで泉のモノに押し付けていたけど、いつの間にか形勢逆転。激しく感じるのか、泉の腰がベッドの軋みに合わせるように揺れている。 「泉。腰揺れてる」  そう言いつつ泉のそれをズボン越しにおもむろにわし掴めば、小さな悲鳴を上げて泉の腰が引けた。それを許さないとでも言うように、更に俺のを押し付けながらゆっくりとそれを揉みしだいてやる。甘だるい吐息がだんだんと荒くなってきたところで、改めて俺の下に組み敷いている泉を見やった。  快感に抗えないとでも言いたげに、上気した頬がなんともエロい。俺の手が触れるたびにびくつく腰は引き気味だけど、それを俺は許さない。  小さくカタカタと震えていたのは最初だけで、今は俺の背中に腕を回し、しっかりとしがみついている泉。激しいキスを解いて耳たぶを甘噛みすれば、泉の口から甘い吐息が漏れる。  ここに来て、そう言えば泉から了解をもらっていないことに気がついた。快楽に流されて俺にしがみつくそれはOKのサイン以外のなにものでもないのだが、さすがにこれ以上はまずい。  男同士はどうするかはよくわからないけど、元カノとなら後ろでやった経験もある。その構造は少し男女で違うらしいけど、だいたいは同じだろう。  ――だけど。  男として。自分と同じ男に抱かれるのには、相当の覚悟が必要だと思う。もう後には引けないし、止まらないけど一応は確認しとかないと。 「……泉。いいか?」  耳元に息を吹き掛けるように手を緩めるながらそう聞くと、瞬間、泉は小さな体をびくりとびくつかせ、一息つくと大きな吐息を一つついた。

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