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 泉の反応を確かめるように俺のを泉のそれに押し付けながら、ゆっくり、それでいて大きく体を揺さぶる。抵抗がなくなり、泉の口数が減ったと思っていたら、 「むっ、無理っ!」 「わ。ちょ……、泉。急になんだよ!」  俺の下で荒い吐息を零していた泉が不意に、そんな弱音を吐いてきた。 (……ちっ。ここに来て怖じけづいたか)  思わず心の中で悪態をつきつつ、俺たちのモノは握りしめたまま動きを止める。泉の気持ちは良く分かる。俺がもし泉の立場だとして、どんなに好きなやつのモノだとしても自分のよりでかいモノを突っ込まれるのはごめんだ。  だけど……。 「大丈夫。優しくするし、絶対に痛くしないから」  そう泉を優しくなだめながら、俺は泉の背中をさすった。  どうしても泉が欲しかった。他の女を抱きながら、ただ泉のことだけを思った。そんな泉が俺の目の前で、可愛く、それでいて淫らに乱れている。 「その……、さ。そっちも経験はあるから、痛くないようにしてやれるし」  俺が申し訳なさげにそう言うと、 「なっ?!」  泉のつぶらな瞳が大きく開かれた。自分に不利な発言はしたくなかったが、泉を安心させるためだ。そっちでの経験もあることは、少なからず泉の安心材料にはなるだろう。  その隙に動きを再開させた俺は、泉の腰に腕を回した。左腕で泉の体をしっかり抱え、泉の腰を浮かせて右手を下着に差し込む。 「ちょ、壱人っ。ど、どこ触って、っっ」  泉の尻を軽く揉んでやると、泉はこの日一番、過剰に反応した。どうするかぐらいは知っているだろうに。男同士のそれを知っているどうかかは別にして。  そんな泉が可愛くて、指を進めようとして、 (……あ。いけね)  俺は、ふとあることに気がついた。 * * * * * * * ※ここまでは2011年に執筆したもので、次ページからは新たに書き下ろしたものになります

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