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第1話

「今日は葉ちゃんとロメオをお預かりするんだぁ~!みんな連れて公園に行こうと思ってる。ねえ、お昼ご飯はどうしよっかなぁ~?」 朝の忙しい時間…この人の関心はこんな事ばっかりだ。 俺は、呆れ顔をしながら適当に言った。 「みんなで焼肉ビールすれば良い…」 「あ~はっはっは!桜二の馬鹿野郎!みんな、まだ未成年だぞ!そう言うオレもまだ16歳だぁ!」 ご機嫌だな… 馬鹿笑いしながら俺の背中に乗っかってくるシロを無視して、俺は左手首に腕時計を付けた。 シロは相変わらず子供が好きだ。 体質と商売柄、日焼け出来ない体のくせに、今年の夏は海にまで連れてってた… もちろん、俺も駆り出されたさ。 たったグラス一杯のビールが1500円だなんて、破格の値段で売ってた。 あの海の家はぼったくってる… その上、やたら露出の多いDJコーの様な女がいっぱいいて、正直、2度と行きたく無いと思った。 しかし、パラソルの下で必死に日焼け止めを塗るシロは、可愛かった… ラッシュガードから漏れた部分にタオルを巻いて…サングラスをかけて、大きな麦わら帽子なんて…おばさんみたいな格好なのに、誰よりも可愛かった… 「そろそろ行くよ…。キスして…?」 俺に付き纏うシロに頬を向けてそう言うと、彼は俺の唇にキスして、舌を絡めてくれる。 あぁ… 後ろ髪引かれちゃうな… 「急げ、急げ!今日は定例会だぁ!」 そんな騒々しい声をあげながら依冬が玄関にやって来た。 そして、シロのキス待ちの沈黙を始めた… 「はぁ…行ってくるよ。かわい子ちゃん…」 「シロ、俺には倍の時間キスして!」 そんなガキっぽい張り合いを背中に聞きながら、俺は車へと向かった。 「あー忙しい、忙しい!依冬はどうしてこんなところで靴下を脱ぐんだ!」 車の中に置いた受信機から聞こえるシロの声を盗聴しながら、今日も仕事へ向かう。 すると、胸に入れた携帯電話が鳴った。 すぐに受信機の音声を下げた俺は、携帯の通話を押してスピーカーで話し始めた。 「はい、もしもし…?」 「桜ちゃん…話がある…」 勇吾だ… 「なんだよ。まだ生きてたのか…早く死ねば良いのに…」 そんな俺の憎まれ口を鼻で笑うこともしないあいつは、やけに声を沈めてこう言った。 「シロの事だ…」 へぇ… 「なに…?」 「…チッパーズと俺のところに、メールが来た。送り主は同じ。そこにはそれぞれ違う動画が添付されていた。後で送信するから、誰もいないとこで確認してくれ。…桜ちゃん、俺はこれを宣戦布告と捉えて、徹底的にやるつもりだから…。とりあえず、確認したら、連絡をくれ。」 なんだ…? 「動画の内容は…?」 そんな俺の質問に、ただ、確認してくれとだけ繰り返すと、勇吾はそのまま電話を切った。 チッパーズと、あいつのところに、動画…? シロの事…? 首を傾げた俺は渋滞の始まった列に並んで、ため息をつきながら空を見上げた。 ビルの隙間から見える空は、まるで色味がない。 こんな忙しない都内では、そんな事すら、いちいち確認する事も稀なんだ… だとしたら、こんな渋滞も…悪くない。 駐車場に車を止めた俺は、勇吾から届いたメールを手元で確認しながら、車を降りた。 …確かに、ふたつの動画が添付されてる。 携帯の音量を消音にしたまま、大勢が乗ったエレベーターの中でなんの気無しに動画を再生させた。 「は…?」 エレベーターの中の視線を一気に集めたが、そんな事、どうでも良かった。 すぐに動画の停止ボタンを押して、動揺して跳ねる胸を押さえた。 どう言う事だ… どうしてこんなものがあるんだ… 嘘だろ… エレベーターから降りた俺は、急いでトイレへ向かって個室の中に入った。 そして、ワイヤレスのイヤホンを耳につけて、震える手の先に握りしめたままの携帯を見下ろした。 深呼吸をひとつしてから、再び動画を再生させた。 「シロ…こっちにおいで…?」 動画の中には…まだ、幼い…シロがいた… 小学校低学年か… 手を伸ばすこの動画撮影者を、チラチラと窺い見るシロの目つきは、怯えていて、可哀想で、胸が痛くなった… 「なんだ…これ…」 ぽつりと呟きながら、画面を凝視した俺は、動画の中のシロを見つめて瞳を歪めた。 「ほら…見せて…?」 「…」 怯えたシロは、チラチラと撮影者を窺い見ながら、自分の服を捲り上げて、胸を露出した。 「あ~…、エッロいな…」 そんな声とともに、カメラの下から大きな手が伸びて、目の前のあの人の体を掴んだ。そして、何の躊躇もなく、幼い子供の乳首を親指で捏ね始めた。 見てられない… すぐに停止ボタンを押した俺は、顔を歪めたまま、もうひとつの動画を再生させた。 「ほらぁ…ちゃんと、咥えろって…はぁ、気持ちい!」 「シロちゃん、お兄さんたちの気持ちいだろ?こんなに喜んでくれるなら、毎日相手してあげるのに!ウィンウィンの関係なのに!…どうしてか、お前を抱くのに金がかかるんだ!」 最悪だ… そこには複数の男に群がられる…中学生のシロがいた。 制服は乱暴に脱がされ、殴られたのか、頬は赤くなっていた… 「…に、にぃちゃあん!」 シロが、手を伸ばしながらそう言うと、カメラの画角の隅から、あの人のお兄さんが手を伸ばした。 あぁ… この人が動いてる姿を、初めて…見た… シロのお兄さんは、表情を変えないまま、あの人の伸ばした手を掴んでそっとキスして言った。 「…大丈夫。兄ちゃんが…傍に居るから…」 その表情と声色にゾッとした俺は、すぐに動画の停止ボタンを押した。 そして、トイレの個室を飛び出して、非常階段へと向かった。 勇吾に電話をかけながら、思った。 これは、この動画は、絶対に、シロには見せてはいけない… せっかく落ち着いて来たのに…こんな酷い事…思い出させたく無い。 何よりも…動いて話す…あの、お兄さんを見せたく無い。 シロは、やっとお兄さんを偲ぶ事が出来たんだ… 一緒にお墓参りへ行った。 その途中…何度も引き返しそうになるあの人を、その都度宥めて、やっと墓前で…お別れできたんだ。 「兄ちゃん…シロは、兄ちゃんの事、大好きだったよ…愛してたよ…。でも、今は…この人と…依冬と、勇吾と一緒に居るね。だって、みんなシロの事を大事にしてくれるんだ…。今は…みんなの事を愛する事にした…。だから…だから、また、来るね…」 両手を合わせてそう言ったシロを見届けた俺は、丸まった背中を何度も撫でてあげた。そして、帰りに味噌煮込みうどんを一緒に食べたんだ。 やっと…吹っ切って前を向く事が出来たのに。 今更、また…苦しむようなものを見せたくない。 だから、この事は…絶対、シロに知られてはいけない… 「もしもし…」 「動画を見た。あれは何だ。誰が送って来た?目的は?」 電話に出た勇吾に、俺は矢継ぎ早にそう尋ねた。すると、あいつはかすれた声でこう言った。 「あの、もんもん…見覚えない?」 もんもん…? 眉を顰めた俺は、電話口の勇吾に声を落として尋ねた。 「なんだ、それ。ヤクザ絡みなのか…?」 「桜ちゃん、気持ちは痛い程分かる。でも、最後まで見てから連絡をくれ…」 ため息をついた勇吾は、気の抜けた声でそう言った。 は…? そんなあいつに苛ついた俺は、興奮したまま声を裏返して言った。 「じゃ、じゃあ!お、お前は…あれを、最後まで見たのかよっ!」 「見たさ…。だから、お前に言ってんだ…逃げんな。馬鹿野郎。」 そして、勇吾はそのまま電話を切った。 こんな動画…最後まで、見れる訳ないだろう… 幼い最愛の人が…凌辱される姿など、誰が好き好んで見るというのか…! 「クソッタレだな…仕事前に見るもんじゃなかった…」 ぽつりと呟いた俺は、ため息をついて職場へと踵を返した。 誰が…何の目的で…こんな物を、勇吾とチッパーズに送ったのか… 理由なんてどうでも良い。 もんもんが付いてようがどうでも良い。 見つけ出して…ぶっ殺してやる… #勇吾 俺宛に知らないやつからメールが届いた。 本文の内容には、こう書かれていた。 “シロはお前の物じゃない” …んな事、他人に言われるまでもなく分かりきった事だ。 あの子は俺の物じゃない。永遠に、兄貴の物だ。 添付されていた動画を、ウイルスチェックした後、鼻をほじりながら見た。 どうせ、アノニマスみたいに覆面か何かをつけた奴が、俺の殺害予告でもしてるんだと思ったんだ。 なのに、違った… 「は…?!」 幼いあの子が映し出された瞬間、胸が跳ねて、咄嗟に動画を止めた。 構図、照明、アングル、どれをとっても…嫌な予感しかしなかった。 この先に迎える顛末を、容易に予測出来た。 すると、タイムリーに俺の元にチッパーズから連絡が入った。 「もしもし…」 「勇吾さん、ボー君です…。チッパーズのアドレスに、早朝、不審なメールが届きました。内容は…ひとつの動画ファイルと、“シロの動画をこれ以上出すな”…と言う、警告文でした。」 チッパーズは、シロのファンクラブみたいなもんだ… あの子が歌舞伎町で踊るステージをYouTubeのチャンネルで流してる。以前は無許可だったその行為も、シロの優しい配慮により、俺の管轄下に置かれた。 シロの熱狂的なファン、ボー君は、俺から毎月の給料を貰いながら…シロの広報を務めてる。 そんな、チッパーズにも、例のメールが届いたようだ… 「…動画の、内容は…?」 電話口のボー君にそう尋ねると、彼は押し黙った… きっと、俺が見たものと、同じものだ… すると、ボー君は口ごもりながらこう言った。 「…中学校の制服を着たシロが、複数人の男にレイプされてる様子です。」 はぁ… 最悪だ… 項垂れた頭をワシワシとかき乱した俺は、メールの送信者を睨みつけながら電話口のボー君に言った。 「…IPアドレスで送信先を特定してくれよ…。お前のとこのハッカー使って、出来る限り絞り込んでくれ。動画は俺に送って…」 そんな俺の言葉に…ボー君は声を裏返して、こう言った。 「見るんですか…?」 見るのかって…? そりゃ、見たくないさ… でも、正体不明の誰かが、シロのそんな動画を使って、俺やチッパーズに何かを仕掛けて来ようとしてる。 だとしたら、見ない訳に…行かないだろ… 「俺のとこにもそんなメールが来た。動画の内容は違うが、相手の意図を知りたい。だから、見るよ…」 俺は短くそう言って、ボー君の電話を切った。 一瞬しか見なかった、幼いシロの怯えた目つきが…頭から離れない… やるせない気持ちのまま、ため息を吐いて項垂れた。 かわいそうにな… …今は、幸せなんだ。 これは、全て過去の話… だから、大丈夫だ。 そんな頼りない言葉に縋って、俺はさっきの動画の続きを再生させた。 「ほら…見せて…?」 「…」 カメラの撮影者を窺い見るような目つきが幼い…でも、確実にシロだ。 6~7歳だろうか…口を一文字に結んだあの子は、視線を逸らしながら、自分の服を捲り上げた。 「はぁ…最悪だ!」 言わずにはいられ無い… 愛する人が…過去の話だとしても、目の前で知らない奴に悪戯される光景を…そいつ目線で見なくちゃ駄目なんだからな… 最悪だ! もしかしたら、それが意図なのかもしれない… “シロはお前の物じゃない” それが、言いたいんだ… 「あ~…、エッロいな…」 幼いあの子の腰を掴んだ大きな手は、この撮影者が大人である事を教えてくれた。 引き寄せられたあの子は、顔を背けて嫌がった。そんなのお構いなしに…撮影者はあの子の胸を鷲掴みして、親指で小さな子供の乳首を弄り始めた。 「気持ちい…?」 最悪だな…殺したいよ… 児童ポルノだ。 送り主が分かったら、速攻で、警察に行こう… 動画の中で、カメラの持ち手が変わった。 …少なくとも、この現場には大人がふたりいる。 ベッドの上でシロの体を抱き寄せた男は、あの子の胸に貪り付いて、熱心に乳首を舐めてる。そんな相手に嫌がるように両手をついたシロは、顔を背けて、誰かを探すように目を泳がせた。 …あぁ、多分、兄貴を探してる。 「はぁ…たまらんね…」 大人にしても良い体つきをしたそいつは、おもむろに着ていたシャツのボタンを開けた。そして、自分の素肌にシロを抱き寄せて、何度もあの子の首にキスした。 おいおい、どこまでやるんだ… そう思った俺は、動画の長さを確認するようにスクロールバーにカーソルを当てた。 まだまだ長いじゃないか… きっと最後までやる。全部、撮ってる。 こんな小さい子供に… 猫の虐待動画を…無理やり見せられているような…気分の悪さだ。 顔をしかめた俺は、ため息を吐きながら動画の中のシロを見つめて奥歯を噛み締めた。 …今は、幸せなんだ… 「あぁ…可愛い…」 男は、幼いシロの股間に手を当てて、腰を引いて嫌がるあの子のモノを服の上から撫で始めた。 「や…やだぁ…」 胸が痛い… 子供の頃…愛しいお前は、こんな声だったんだね… こんな形で知りたくなかった。 「なんだよ…好きだろ?ほら、おいで…!」 男は、ベッドに座った自分の胡座の中に、膝立ちするシロを抱き寄せた。そして、あの子のズボンを脱がせて、微妙に半勃ちする子供のモノを手で撫でて笑った。 胸糞が悪い… 今すぐ、見ることをやめたい… でも、俺はこの子の旦那なんだ。 喧嘩売られて、黙ってる訳にゃ行かねんだよ。 「はぁ…ん、や、やぁ…!」 「あぁ…可愛い。勃起してる。はは…。ちゃんと撮れよ?後で見るんだから…」 男はカメラに向かってそう言った… 歳は30代後半か…オールバックにした髪に、鋭い目つき… 堅気じゃないとすぐに察した。 ロリコンの変態ヤクザか… 思った通り、シロをベッドに寝かせて、シャツを脱ぎ捨てる男の背中には、立派なもんもんが付いてた… 「俺はお前を時間で買ってる。お利口にしてたら、痛くはしないだろう?この前だって…気持ちよくしてやっただろう?」 小さなあの子の首に顔を埋めて、何度もキスしながら男がそう言った。 幼いシロは細い四肢をそんな男の体から覗かせて、身動ぎもしないで、シクシクと泣き始めた。 「…勇吾?このストーンヘンジは、本当に宇宙人が作ったの?」 この前、こっちに遊びに来た時。 シロは、そう言ってストーンヘンジの上空を見上げてたっけな… ルールールーなんて言い始めるから…他の観光客が怖がってた。 「んん…!たぁい…いたい…!」 「痛くねぇよ…これから、もっと大きいのが入るんだ。こんなの、痛くねぇよ…」 幼いシロに覆い被さるようにキスして、大人の男があの子のお尻に指を入れた。 まるでAVだ。 ご丁寧に穴のズームまで撮ってる始末に、虫唾が走った… 「ほら、ぁあ…気持ちい?…シロ?シロ?可愛い…気持ちいね…?」 あんな鋭い顔をしていた男は、声をうっとりさせて、楽しみながらシロを犯してる。 「ん…はぁはぁ…んん…!に、にいちゃぁん…!」 「いない。いるのは、俺とあいつと…おまんだけだ…。怖い?怖くないだろ…?俺は、お前には…特別、優しいんだ…」 泣きじゃくるシロを見下ろした男は、優しく宥める様に、猫なで声を出して、あの子に言った。 「シロ…俺の体には猫が3匹おる…。見つけられるか…?」 「ふっ…ん…はぁはぁ…ね、ねこ…?」 体に入れた刺青を見せた男は、あの子が目を泳がせて猫を探す様子を見つめながら、幼い体を舐め回した。 「シロ…?早く終わって欲しかったら…気持ち良くなくても、気持ち良い振りするとええよ?そうすると…男は勝手に興奮して…早くイク…。あんな下手くその相手…嫌だろうけど、おまんの母ちゃんは…イカれとるから、これからも続くだら。だから…自分のええ様に、賢く立ち回れ…」 お前に言われたか無いわ! 心の中でそう突っ込みを入れた俺は、男の体を指で撫でながら、体のどこかに彫られた猫を探し続けるシロを見つめた。 あの子は、息を荒くして…下半身に与えられる違和感とも快感とも言えない感覚を感じながら、小さく喘ぎ声をあげ始めた。 そんな卑猥な様子を、固唾を飲んで見出した自分に、抗えない本能を感じて自己嫌悪に陥っていく。 なに興奮してんだ… 馬鹿野郎だな…! 「あぁ、ねこぉ…!」 そんなあの子の楽しそうな声に、背徳感が爆発する。 「はは…。じゃあ、あと2匹だ…」 男は笑いながらそう言って、あの子の足の間に体を入れた。そして、泣き止んだあの子を見下ろしながら、立派なモノを小さな体の中に押し込んでいった。 「んん…!や、やぁ!!に、にいちゃあん!!にいちゃぁん!!」 痛みに暴れ始めるシロを押さえつけた男は、腰をゆっくり動かしながら、あの子の上に覆い被さって言った。 「ほらぁ…。気もちええ振りして、ちゃっと俺をイカせたらええじゃんね…?もっと、エロい顔して…もっと、体をのけ反らせて…俺を興奮させたらええだら。ほうしたら、あっという間に…終わる。」 シロは男のそんな言葉に、瞳から涙を落として、必死に相手の腕をひっかいた。すると、男はケラケラと笑い声を上げた。 「終わらんよ…そんな事しても、終わらん。…どうせ、またやられるだら。だったら、上手く立ち回れ。」 そして、何度も何度もシロにキスをして言った。 「はぁはぁ…シロ…可愛い…」 随分…ご執心な様子だ。 ただの性処理の趣味じゃない… このおっさんは…この、幼い子供に…それ以上の感情を持ってるとしか思えない… こいつだ… こいつが、この動画を…俺とチッパーズに送ってきた…犯人だ…! 「ん…んん…!!」 「はぁはぁ…可愛い…可愛い…!」 男は、両手に抱き締めた小さな体を何度も何度もまさぐりながら、いやらしく背中のもんもんをうねらせて、シロを犯した。 それは、幼いシロが、快感に翻弄されて…我を忘れてしまうまで、何度もしつこく繰り返された。 弄ぶ…とは、こういう事を言うんだろうな。 動画の中の男は、幼い体を、好きに、欲しいままに、いたぶって、愛していた。 「シロ…俺の事、好きだら?」 汗だくの髪にキスをしてそう聞いてくる男に、震える唇を必死に動かして、シロが言った。 「…好き。」 「…上等じゃねぇか…」 ぽつりと呟いた俺は、動画の最後に映った、惚けた瞳で肩で息をするシロを見つめて、あの子に言った。 「シロ。お前の…偏執的なファンが、自分の方こそお前に相応しいと言ってきやがった…。ぶちのめしても…良いよな?」 シロが、未だに…大好きなんだな。 あの子の現在を何らかの理由で知って…忘れていた恋心でも思い出したのか…? それとも、この時の締まりの良さでも、思い出したのか…? どちらでも良い…俺に、喧嘩を売った事を後悔させてやるよ。 お前は二度とシロには会えない。 こんな風に、俺や、あの子の周りにちょっかいを出しても、俺は思う様には動いてやらないぜ? …あの子に気付かれる前に、片をつけてやる。 お前は、シロの嫌な思い出のまま死ね。 奥歯を噛み締めた俺は、暗くなった画面を睨みつけながら、考えた。 …きっと、依冬君は受け止め切れない。 こんなものを見せたら、暴走する可能性がある。 ここは、とりあえず…桜ちゃんに知らせて、シロの守りを固めよう。 こんな立派なもんもんのある奴、普通に暮らしてる訳が無い。 …とりわけ、目立つヤクザだ。 桜ちゃん、こいつを、絶対に、シロに近づけさせるな…

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