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後書き 作者的解説/考察◆Another

生贄学園〜Another〜: 生贄学園2 終章と連動したお話。どちらから読んでもいいけど、まあ終章でしょうね。 ここではかのオーナーが主人公で、彼の略歴や本名も明らかになりました。(和真編では先に出てます) 殴りたくなるほど縁起良さそうな名前にしようとしてましたが、上手くいったかな? 八代→お社(屋城)→神→天照……とか、某ひぐらしでオヤシロ様があるんだから、これくらい!といろいろ遊びました。楽しかった。 死後は八咫烏のごとく太陽の元で彼の意思は永遠に生き続けるのでしょう。 あんな酷い生き様で安らかな眠りだったのはムカつきますが、そこが人間何があるかわからないというものです。憎まれっ子世に憚る。 ちなみに、カラス繋がりで言えば誠太郎ルート6話にても、「想悟がカラスモチーフ」と言及してます。そんなところもオーナーと似ているんです、彼。 2匹のカラスという意味ではそこは北欧神話みたいですね。 そして、想悟の母と、神嶽の三つ巴の話です。 生贄学園の時点では、オーナーは「なんか特殊能力に執着してるヤバイジジイ」だったのですが、どうしてここまで執着することになったのかがやっとわかります。 そんなオーナーが初めて独占欲を感じたと言っても過言ではなかったのが、想悟の母であり蔵之助の娘である麗華。 麗華は外見はもちろんですが、内面も素晴らしい女性です。 どこまで人を絶望させるかがメインの作品で、これほど希望を持ち続けていたキャラクターは、きっとシリーズでも彼女以外いません。 魔女?いいえ、女神です。 神嶽(この頃は名前はありませんがそう呼びます)は、食人鬼ではありましたが、エピローグで想悟が言及した通り、真の能力は読心などではありませんでした。 人を食べることで対象の寿命、知識、技能、果ては姿形といったパーツまで奪えてしまう化け物そのものでした。 元がどうかはわかりませんが現状は人間ではない。どれだけ生きているのか、完全に不死かも何もかもわからない。 彼が読心や治癒能力を使えたのは、麗華が使えたから。それだけは本当に偶然なのです。かと言ってコントロールに関しては、想悟のように苦しまずに済んだので、麗華の力がそれだけ上質だったのか、それも神嶽の実力の範囲内なのか……。 想悟と違い、読心は後天的な能力であるからこそ、何一つ悩まずに悪用できたのかもしれません。 相手の能力吸収系の力ってどんな作品でもはた迷惑でほんとヤダ。宇宙や亜空間行ったらさすがに死ぬかな。 まあちょっとその辺の神嶽の殺し方は各自ご想像にお任せします。(……) 麗華は真っ先に食べたのに、オーナーを食べなかったのは、「クラブに利用価値がある」と判断したからでしょう。 しかし、想悟を「まだ不味い」と言って逃した、それも霧島家の養子にいくように。これは決して神嶽の気紛れではありません。 明確な理由がありますが、鷲尾編で。 神嶽に「二度も不味い判定くらう想悟」「お互いに頬を触り合える仲(!)」……その辺は、エピローグとリンクさせました。 神嶽も、母親を殺した男の胸に抱かれたことのある想悟にだけは、何か思い入れは…… いえ、特になくてもいいです。だって彼は……神嶽だもの。 ただ、生まれたての想悟が神嶽に対して絶対に敵にしてはいけない本能的と言ってもいい危機感を覚えているのは、二十三年後もそうなので、やはり……想悟にとっても神嶽は雲の上のような存在なのかもしれません。 2のエピローグで想悟に会いに来たのは……蔵之助の極秘文書を届ける為以外には、彼の現時点での力を見定める為、かもしれないし、そうでないかもしれない。とりあえずは命拾いした想悟なのでした。 (というより、長く旅を共にするような存在である主人公だけは殺したくない、のが私のモットーです)

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