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第40話 腹立ちと、空腹
4ー7 腹立ちと、空腹
次の日、俺とアメリは、イーサンに連れられて王宮の隣にある王立学園へと向かった。
俺とアメリは、普通に、もとの世界の高校のブレザー型の制服のような王立学園の制服を着ていた。
イーサンは、ちょっと違和感のある真っ白な神殿の神官たちと同じローブを身にまとっていた。
アメリは、不機嫌でそっぽを向いて黙り込んでいた。
なんで、お前が怒っているわけだよ?
俺は、腹が立ってアメリを無視し続けていた。
本当は、今日は、俺たちが初めて学園に登校するということで、レイテとケイラスが迎えに来てくれることになっていたんだが、俺たちは、彼らを避けるようにして早めに離宮から学園へと出発していた。
だって、昨日の今日だし。
ギルバートからきいた話に俺は、本気で心底ドン引きしてるし。
当分は、レイテたちとは会いたくなかった。
早朝の学園には、まだ、生徒の姿はなかった。
イーサンは、俺とアメリを特進クラスの教室へと連れていくと、知り合いに挨拶に行くとか言って教室から出ていった。
イーサンは、実は、王立学園の卒業生だったらしい。
俺とアメリは、二人っきりにされてしまった。
うぅっ。
気まずい。
俺たちは、黙ったまま沈黙に堪えていた。
昨日。
アメリにあんなことされて、俺は、混乱していた。
俺は、アメリに翻弄されて、何度もいかされて、あげくに、意識を失った。
どういうことだよ?
だいたい、こいつ、 なんで、 あんなに 上手なわけ?
この前まで、バブバブいってたくせに!
それなのに、俺、こいつに好きなようにされて。
俺は、ちらっとアメリの方をうかがった。
アメリは、教室の窓辺にもたれて空を見上げて溜め息をついていた。
なんだよ、ガキのくせにえらっそうに!
溜め息つきたいのは、俺の方だっての!
俺が、じっと睨み付けて歯軋りをしていると、アメリは、ぽつりと呟いた。
「ああ、お腹すいた・・」
はい?
俺は、なんか、すごく腹が立っていた。
昨日、あんなにしたくせに?
腹がすいた、だと?
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