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第48話 もしかして、王子様?

5ー4 もしかして王子様? そのときだった。 教室のドアが開いて誰かが入ってきた。 「お前たち、何をしてるんだ?」 「何って」 熊男は、俺の乳首を弄りながらにやっと笑った。 「ちょっと味見、だよ。いつも神子様がお吸いになっている聖母様の乳の味を試してみたくってね」 「なんという不敬なことを!」 その男は、叫んだ。 「っていうか、人として間違っているだろうが!お前たち、嫌がってる人を押さえつけて無理矢理公衆の面前で犯そうとするなんて、最低だ!」 「うるせぇぞ、生意気ルイスが!」 熊男は、怒鳴った。 「宰相のお気に入りだかなんだか知らんが、ただの商人風情の息子が特進クラスのやることに口出しするんじゃねぇ!」 「その人から離れろ!」 ルイスとかいう生徒は、俺と熊男の間に割って入ってくるといきなり熊男を殴り飛ばした。 うん。 なかなかいいパンチだな! 俺は、まじまじとルイスのことを見つめていた。 ルイスは、ハチミツ色の金髪に、綺麗な翡翠色の瞳をした背の高い男だった。 といってもひょろりとした体躯の男ではなかった。 ルイスは、制服の上からでもわかるぐらいに筋肉質の剣闘士タイプの男だった。 俺は、ルイスの姿に思わず、見とれていた。 ルイスは、それほど美しかったのだ。 男の俺が見惚れるほどにな。 ルイスは、ちらっと俺の胸を見て、かっと頬を真っ赤に染めると俺から目を反らした。 そして、俺を見ないように気をつけながら、俺の両脇に立って俺を捕らえている連中のことを殴り付けた。 うわっ! 殴られた連中の血が俺の頬に飛び散った。 すごい力だな! 「こいつ、身体強化術を使っているぞ!」 誰かが叫んだ。 「誰か!早く、ノエル先生を呼べ!こいつ、魔法を使ってアンジュ様のことを殴りやがった!」 アンジュ様? 俺は、ルイスに殴られた奴の中のどいつがアンジュ様なんだかわからなかったが、ルイスに殴られた連中が皆、壁の方へと吹き飛ばされて床の上に潰れたゴキブリみたいにのびているってことだけは理解できた。 ざまあみさらせっての!

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