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第93話 恥じらいって忘れたくない。
9ー2 恥じらいって忘れたくない。
ルイスは、俺にいろいろアドバイスをしてくれた。
この世界でも、みな同じで男子の憧れるシチュエーションというのはあるらしい。
俺は、ルイスとアリストリアさんとギルバートに協力をしてもらってアメリのためにいろんなものを用意してみた。
「イーサンは、お前がアメリに抱かれること、よく思ってないんじゃね?」
ルイスは、俺の部屋で買ってきたグッズを並べながらきいた。
俺は、風呂に入ってギルバートとアリストリアさんに全身をきれいに洗われた後、いい香りのするローションを塗り込まれていた。
「思い出すわぁ。初めてのときのこと」
アリストリアさんが、うっとりとして俺のことを見つめた。
「あたしも、昔、好きな男のために初染めの準備をしたわ」
「その人とは、どうなったんですか?」
ギルバートが訊ねると、アリストリアさんが寂しげに答えた。
「あいつは、遠くのダンジョンに出かけて帰ってこなかったわ」
マジか?
俺は、ルイスに聞かれたことを考えていた。
イーサン。
確かに、アメリに俺が抱かれることをよく思わないのかも。
だから、俺は、今夜決行することにしたのだ。
今夜は、イーサンは、宿直の日で帰ってこない。
放課後に、俺は、フェイスタさんの店を休ませてもらって、すぐにルイスたちの手を借りて用意することにしたのだ。
アメリは、まだ、帰らない。
今日は、アメリは、特別授業のある日で帰りが少し遅かった。
それも、今日を選んだ理由だった。
俺は、ルイスたちの手で装われていった。
「うん、これなら、アメリちゃんも即落ちよぉ!」
アリストリアさんが身をくねらせた。
「もう、今夜は、眠らせてもらえないわよぉ!」
マジでか?
準備ができると、ギルバートとアリストリアさんとルイスは、隣の家にいって俺の部屋の窓を覗ける部屋に潜入した。
隣の家は、空き家で、たまたまルイスのうちの扱っている物件だった。
「なんで、覗いてるわけ?」
俺がきくと、ルイスは、答えた。
「協力したんだ。うまくいくか見届けたい」
マジですか?
俺は、仕方なく彼らの視線を遮るためにカーテンを閉めた。
どうせ、こんなことしても、魔法で覗かれちゃうんだけどな。
でも、 恥じらいって忘れたくないし。
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