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第116話 遠くに
10ー12 遠くに
次に目覚めたとき、俺は、まだルイスの腕の中に抱かれていた。
「・・えっ?」
俺は、ルイスの腕の中でたじろいでいた。
なんで?
俺、こんなことに・・
「あぅっ・・」
俺は、後孔に異物感を感じて腰を動かした。
ずるり、と何かが俺の中から押し出された。
「あっ、あっ、何かが、出ちゃうっ!」
「出ちゃったな」
俺が、身じろぎするのを抱き締めて、ルイスが囁いた。
「昨日は、お前の中で眠ったよ、レンタロウ」
はい?
いつの間にかルイスは、目を開けて俺をじっと見つめていた。
俺は、昨夜のことをぼんやりと思い出していた。
ルイスに抱かれた後、俺は、ルイスを咥え込んだまま倒れ込み、そして、気を失うように眠りに落ちて。
ええっ?
俺は、はっと気づいた。
俺たち、繋がったまま一晩過ごしたわけですか?
うわっ!
恥ずかしさに俺は、顔から火が出そうだった。
だめだ!
とても、ルイスを直視できない!
俺は、ルイスから離れようとした。
だけど、ルイスは、俺を離さなかった。
ルイスは、うつ向いて顔をそらしている俺の顎に指をあてて上を向かせると口づけしてきた。
俺は。
もう、限界だった。
熱く火照った体をくねらせてなんとかルイスから離れようとして暴れる俺をルイスは、ぎゅっと抱き締めた。
「かわいい、レンタロウ。うなじまで赤くなってる」
「う、るせっ・・!」
俺は、羞恥からルイスを見ることができずにうつ向いたまま身じろぎした。
ルイスは、低く笑いながら、俺の耳元で囁いた。
「愛している、レンタロウ」
「ぁっ・・」
俺は、くすぐったさに身を強ばらせた。
ルイスは、俺のことを背後から抱き締めると俺のうなじに口づけした。
「俺は、子供の頃から復讐だけを望んで生きてきた。俺の両親を殺した大陸の連中を皆殺しにしたいとまで思っていたんだ。なのに」
ルイスは、俺の首もとへと顔を埋めた。
「お前を知ってから、俺は、変わってしまった。復讐も、何もかも捨ててしまえるほどにお前を愛してしまった」
マジですか?
俺は、ルイスのキスに応じながら涙目になっていた。
ああ。
俺。
こんなにも遠くに来ちまったんだな。
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