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4.嫉妬に狂った鬼は優しくない

※少しだけ痛い表現があります※  大きな鬼は僕を抱いたまま掛け布団を剥ぎ、敷布団の上にそっと僕を下ろした。ふかふかの、上質な布団だと思った。 「……もう見てもいいのだろう?」 「……はい……」  とても怖いけど、僕はこの為に来たのだから逆らうことはできない。  鬼は僕の頭にかかっていたベールも、薄絹の衣裳も取り去ると部屋の隅に投げた。股間を隠したくなる手をどうにか押さえて身体の横から動かさないようにする。鬼は舐めるように僕の身体を眺めた。 「……真っ白だな。体毛も薄い。こんな身体で俺を受け入れられるのか?」  それは僕が聞きたい。大丈夫だって聞いたけど、不安でしょうがないのだ。 「表から失礼します」  リンドルの声がして鬼ははっとしたように顔を上げた。 「なんだ!?」 「そちらの天使さまは”無垢”でございます。口吸いをしたこともなければ、おちんちんの蜜を誰かに飲まれたこともございません。もちろんその尻穴は未だ愛液を誰かに飲まれたこともなく、イチモツを受け入れたこともございません。とにかく大事に、甘く愛して差し上げてくださるようお願い申し上げます」  おちんちんの蜜って……愛液って……おまんこって……。  僕は全身がカーッと熱を持つのを感じた。 「……おっぱいは出ぬのか?」  鬼は再び僕の全身を眺めると胸を凝視した。 「恐れながら、天使さまのおっぱいはどれほど愛情を持って抱かれ続けるか否かにかかっております。早くても二月はお待ちください。それ以上経っても出ない場合は優しさと愛情が足りない証拠でございます」 「なんだと……?」  鬼は困ったような顔をした。そういえば天使は乳を出すと聞いたことがあった。早ければ大体一月ぐらいで出始めるみたいだけど、二月とリンドルが言ってくれたのは余裕をもってということなのかもしれない。 「そうか……とにかく優しく、だな……」  鬼は呟くと、その大きな顔を近づけてきた。 「舌を出せ」 「は、はい……」  震えながらどうにか舌をそっと出す。その舌先を鬼の舌がぺろりと舐めた。 「ひゃっ……!?」  思わずびっくりして引っ込めてしまった。 「……なんだその反応は……舌を出せっつってんだろ!」  おおきないかつい顔が目の前で凄む。怖い怖い怖い。  またどうにかして舌先を出し、ぺろりと舐められた。引っ込めないようにするのがたいへんだ。ぺろぺろと何度も舌先を舐められて涙が浮かんだ。優しいけど、怖い。  そのまま唇を覆われて、長くて肉厚の舌が口腔内に入ってきた。 「んっ、んんっ……!」  口腔内を舌で辿られて、縮こまった舌を絡め取られて吸われた。その度になんともいえない感覚が背筋を這い上り、震えることしかできない。 「んんっ……はぁ……」  鬼はたっぷりと僕の口腔内を蹂躙すると満足そうに顔を上げ、垂れた唾液を舐め取った。 「唾液まで甘いな……口吸いは初めてか」 「……は、はい……」  誰とも口づけもしたことがない。天使候補はそういった性に関する事柄を徹底的に排除されるのだ。  鬼はククッと楽しそうに喉の奥で笑うと、僕自身を軽く握った。 「ひっ……!」  びくん、と身体が跳ねた。 「ここの蜜を飲んだのは俺だけか?」 「……え……?」  そういえばおちんちんの蜜って言われたけど、蜜ってなんだろう? 僕は困惑した。すると鬼は眉を寄せた。 「あっ……!?」  くにくにと僕自身を揉まれて震えてしまう。 「わかんねえのか? さっき俺がお前をイカせて飲んだ精液のことだ!」 「あ……は、はい……」  精液のことを蜜と呼ぶなんておかしいけど、そういうものらしい。くにくにと揉まれている僕自身は少しずつ勃起し始めている。やめてほしいって思うのに気持ちよくもなってきて困ってしまった。 「で? どうなんだ? 蜜を舐めたのは俺が初めてか?」  いら立ったように聞かれて慌てた。 「はいっ……初めて、です……ぁんっ……!」 「……かわいい声だな。そうか、俺が全て初めてか……」 「ああっ……!?」  鬼は俺自身を揉みながら今度は僕の胸に吸い付いてきた。 「……ここは違うようだな」  乳首を舐めて、鬼が唸る。なんで数日前のことだったのにわかるんだろう。 「誰だ? このおっぱいを舐めた奴は!?」  もし言ったらどうなってしまうんだろう。僕は首を振った。 「言え!」 「……い、言えませんっ……!」  どこに口答えする力があったのか、僕はどうにかそう答えた。 「なんだとっ!?」 「ひぃっ……!」  ぎゅうっときつく僕自身を握られてびくっとした。……痛い。 「言え! 言わないならっ!」 「やっ、ひぃいっ……!?」  乳首を強く吸われて身体が跳ねた。痛い、痛いよぉっ。涙が溢れた。  なんでさよならを告げる友人に胸を舐めさせたぐらいでこんなことをされなきゃならないんだろう。 「このっ……!」 「~~~~~ッッ!?」  ぎゅううっと僕自身を潰さんばかりに握られて、僕はパクパクと口を動かすことしかできなくなってしまった。  やっぱり僕は鬼に殺されて、食べられちゃうんだ。僕は大事にしてもらえないんだ。このまま、死んじゃうのかな。  鬼はそこまでしてからはっとしたようだった。  そして宥めるように僕の胸を何度も舐めた。そして僕の股間に顔を埋め、縮こまってしまった僕自身をぺろぺろと舐め始めた。その間、僕はあまりの恐怖にびくびくと身体を震わせることしかできなかった。  何度も何度も舐められるうちに、また僕自身が勃ち上がった。不能にならなくてよかったなと思ったけど、もうどうでもよかった。どうせ鬼の気がちょっと変われば僕は殺されてしまうんだろう。 「ぁあっ、んっ……」  身体の力がやっと抜けて、僕は鬼の口に精液を出した。それを鬼がおいしそうに嚥下する。 「……お前は俺のだ」  鬼が呟く。僕はそれにこくりと頷いた。それは間違いない。僕はもう鬼に嫁いでしまった。 「……お前のおっぱいを舐めたのは誰だ?」  僕は震えながら首を振った。もし言ったら友人が八つ裂きにされてしまうかもしれない。だから絶対に言えないと思った。 「……なら言うまで犯してやる」  鬼が唸る。  そうして、甘い責め苦が始まった。

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