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白兎という男

全く次から次へと、 一体どっから湧くんだか。 次は無邪気な可愛い系ときたか おまけに歳下 「あー、趣味悪りぃ〜」 自然と煙草の数が増える いつもの喫煙所で膝を丸めて煙に包まれている時間が心地いい なのに、内心穏やかじゃない 「相変わらず見た目に反して治安が悪いな!」と同じ学部のいつもつるんでいる女に絡まれる ほっといてくんない?とひけらかすと、 「また女のこと〜?」と新しいおもちゃを見つけたかのような表情で勝手に続ける 治安が悪いのはどっちのことだか 「そ」と頬杖をつくと、 「かぁわいいっ」と頭を撫でられる 「あんたその子犬みたいな無害そうな顔で手癖悪いから、評判良くないよ?」 「知ってる」 俺は手に入れたいものは死んでも手に入れる性だし、遠回りしてでも計算して動く。 経験上、女なんてものは猫撫で声で近づいて 弱さを見せれば大体堕ちる。 中学の時から周りに可愛いだの喋りやすいだの言われてきたし、 他のやつと比べて女友達が多いから嫌でも どういう習性があるかは学習してきた 「人のもん寝取るってどう思う?」 全ての話をすっ飛ばして単刀直入に聞くと 「んー、燃えるね!」と即答された あ、聞く人を間違えたなという思考よりも先に だよね。と心で誰かが呟いた

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