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第6話

 今回の依頼もその仲間が、狐や長縄なら調伏できるが、怪猫となると前例がなさすぎて尻込みしたところを紹介してもらったのだ。  俺たちは電話で聞いた内容を再度確認しつつ、美佐子の状態を細かく聞いていく。 「美佐子は半年程前から自室の隅で排泄するようになりました。それに関して本人は特に記憶がありませんでした。夢遊病のようなものかと思い精神科に連れて言って薬を処方してもらいましたが直りませんでした。  それから程なくして暴れ回るようになり、自室がめちゃくちゃになりました。そして私と夫に聞くに堪えないような暴言を吐くようになりました……。この時も精神科に連れて行き、薬をもらってきました。本人が正気の時に飲ませていましたが効果はありませんでした。  さらに三ヶ月前からは美佐子が直接触らなくても物が動くようになり、これはいよいよ精神科の領分ではないことがわかりました。そこで岬先生という霊媒師の方に相談したところ、神川先生をご紹介いただきました。

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