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第28話

 神川先生は本来ならばすぐに病院に行くべきだが、河川に包み紙を流して初めて呪詛返しは成立する。それまでに向こうの術者の妨害がないとも限らないので、左目については応急手当てをし、タクシーで近所の河川に向かった。タクシーの運転手は俺達を訝しがっていたが何も聞かず、包み紙を川に流すのを待って病院まで送り届けてくれた。  その後、K家の障りは止み、父親の同期は首を吊って自殺したらしい。  神川先生の診断の結果は左目は完全に損傷しており、回復の見込みはないとのことだった。先生は自分達の責任だと落ち込む俺たちに「子供は気にすんなって」の一言で済ませ、粛々と義眼を入れる手術をした。  以来神川先生の左目は義眼である。運転については検査の結果、視野に問題はないため可能とのことで、九条が免許を取るまでは先生が運転していたが、さすがの九条も先生に運転させ続けることに恐怖を感じていたらしく、免許を取ったら速やかに自分が運転すると言った。その後俺が免許を取得し、それからは運転の一切を引き受けている。

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