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第107話

 俺は引き続き警戒しながらバッグに結界を張り、中のコトリバコが鎮まるのを待ってから俺と西川と朱雀・白虎を閉じ込めていた結界を解いた。女はまだ暴れそうだったので霊的に捕縛したまま警察に引き渡し、まず警察病院へ連れて行くよう頼んだ。  事態が収束すると見物人達は解散し、その場には警察官と九条だけが残った。 「警察の皆さんご協力有り難うございました。おかげで呪物は回収できました。後は西川と斉藤さんとを引き合わせないようにしてください。私たちはこれからこの呪物を本来の保管場所へ戻しに行きますので」  警察官も解散すると俺たちはコトリバコを持って車へ乗った。道中の危機に備えて朱雀と白虎は引き続き同行してもらう。  車に乗ると何故か九条が不機嫌そうだった。理由を聞くと、 「俺も結界の中に入れてくれればよかったのに、なんでお前だけ危ない目に遭わせちまったんだろうって思ってんの!」  と言った。 「そう入ってももう一家族残ってたし、俺が失敗して結界が敗れた場合のフォローは必要だろ、見物人の中に女性もいたことだし。それに……」 「……?」

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