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第112話
深いため息をつく。九条は今回俺に合わせてよくやってくれた。九条がいなかったらそもそも西川 雪菜の捜索は大幅に遅れていただろう。それに家族の保護や探査の呪も無かったら大きな被害は免れなかっただろう。これは家に帰ったらちゃんと褒めてやらなきゃな、と思い、俺は寒々とした外の景色を見ていた。
当主と出雲空港で別れ、俺達は飛行機に乗って熟睡し、東京に帰ってきた。今日は事務所を開ける気力がなかったので九条の家へ直行する。
九条の家に着き、暖房を入れ、温かいコーヒーを入れると人心地ついた。
「九条、お前今回はよくやったな」
「お前こそ大活躍だったじゃねえか……無茶しやがって!俺は生きた心地しなかったんだぞ!」
「悪い悪い……でも二人であの結界に入っちまったら……お前まで危なかったからな」
「お前が危なかったら一緒だっつの……」
「それもそうだな……でも俺は、お前を傷つけたくなかった」
「……殺し文句じゃん……」
そう言う九条に手を引かれ、寝室まで連れて行かれる。優しく押し倒されて、キスをされた。
「なあ……俺らさ、神川先生が亡くなってからズルズルこうしてるけど……やめにしないか?」
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