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初旅行編 5 淫らではしたなくて

 愛おしくてたまらなくなる。 「ンっ……ン、ん」  丁寧に舌を這わせて、ゆっくりとその形を唇でなぞってから、今度は頬を窄めて締め付けながら咥えてく。 「んっ」  中でビクビクって跳ねてくれると嬉しくなる。 「っ……ン」  根元に、ちゅぅって音を立ててキスをしてから、そのまま裏筋に細かくキスをして、てっぺんにもキスをすると、環さんが息をつめてくれた。  気持ちいい?  そう尋ねるように見上げると、唇の端だけ吊り上げて笑ってから、答えるように優しく髪を撫でてくれる。大きな手はとても心地良くて、その長い指が髪をすいてくれるとゾクゾクしてくる。彼からよく見えるように顔を向けながら、愛しいそれに手を添えて、先端をきゅっと握り扱き、何度も何度もキスの愛撫を施した。 「っ雪」 「ン」  熱が一段と高くなった気がする。 「っ」 「んっ……ん、ンっ……ン」  そのまま、欲しいですって、扱く手を忙しなく動かしながら、先端を口に咥えた。 「っ、は、ぁっ」  呼吸を乱してくれるのが嬉しくて、キュッて吸い付いた瞬間、口の中で環さんのが跳ねて。 「……ン」  ドクドクって。 「雪っ……飲まなくていい」 「ン、や……」  首をわずかに横に振りながら、全部零さないようにもっと深く口に咥えて飲み干した。 「あっ……」 「雪」 「っ、環、さんっ」 「今度は雪の番な」 「やっ、あっ」  抱き上げられて、こんな外となんら変わらない場所で押し倒されると、濡れた身体がもっと濡れていく気がした。奥から、じわりって。女性でもないのに、まるで女性みたいに、彼が肌に触れた瞬間、濡れて潤んでくように感じる。 「は、ぁっ」  脱がされたびしょ濡れの衣類と下着。けれど上はそのままで……待っているとドキドキしてしかたない。星がすごく綺麗な夜空が広がっていて、こんな場所で、こんなこと――。 「あっ……ン」  すごくはしたないでしょう? 「あぁっ」  なのに、すごく感じてしまう。 「環さん、あ……ぁン」  ローションを纏った指が丁寧に中に入ってきて、もっと垂らされたローションを奥へと塗り込んでいく。 「やぁッン」  気持ち良くて、おかしくなりそう。 「雪」 「ン……ん」  口付けで飲まされたのは、さっき持ってきてくれたスパークリングワイン。 「は、ぁっ」 「けっこう酔ってるな。中がすげぇ熱い」 「あ、あ、あっ」  感度がすごいの。 「あ、あっ……お願いっ」 「まだ、だろ。ここ狭いぞ」 「あぁっ……あっ、だって、もっ」  飲ませてもらったスパークリングワインの刺激にさえ、喉奥が気持ち良くてクラクラするほど。 「も、熱い、でしょう? 僕の、ここ」  酔ってる、のかな。はしたないって思うのに。恥ずかしいって思ってるのに。 「ね、環さん」  とても淫らだって、自分でわかってるのに。 「僕のここ熱くなってるでしょう?」  指を孔で咥えたまま、ゆっくりと起き上がって、足をもっと大胆に開いた。貴方に見せつけるように、貴方によく見えるように、そこを手で拡げて。 「あっ……ン」  自分で拡げるだけでも気持ちいい。 「ここ、環さんのが欲しい、です」  指をきゅぅって締め付けた。 「指も好き。環さんがくれるものならなんでも好き。でも、お願い」  首を傾げて、そっとその唇に触れるぎりぎりのところでそっと吐息混じりにおねだりをしてみる。 「ください」  そう囁いて自分から腰を浮かせた。片手で自分を支えながら、もう片方の手でそっとさっきまで丁寧に口付けていたペニスに触れて。 「あっ」  自分から挿入していく。 「あぁっ」  指が引き抜かれて、代わりに、もっと太くて、硬くて熱いのが、潤んできたばかりの身体を抉じ開けていく。 「あ、あ、あっ、あぁぁぁぁっ」  それがたまらなく気持ち良くて、達した。 「あっ……ン」 「っ、雪っ」 「あっ、ぁっ」  挿れてもらっただけで、達した。 「あぁっ……ン、だめ、環、さんっ」 「あぁ」 「あ、あ、あ、待って、今」 「やだ」  狂おしく腰を打ち付けてくれる環さんの男っぽい顔と、その子どものような言い方にキュンとした。 「最高に気持ちいい」 「あぁぁぁっ」 「雪の中」  そう言って褒めてくれるとたまらなくて、中がしゃぶりついてしまう。 「っ、締めるな」 「あ、だって」 「たくさん、してやるから」 「あ、あ、あっ」  星空の下でセックスなんて、いけないこと。 「雪」  プールで、こんな淫らなこと、したらダメ。 「あ、あ、っ環さんっ」  外なのに、服も着たまま、びしょ濡れになって、なんて、しちゃ、ダメ。 「あっあ、あ、」 「雪」  ダメなのに、いけないことなのに。 「雪」  なのに、環さんが気持ちよさそうに顔を歪ませてくれる。  止まらないって腰を振りたくって、僕に夢中になってくれる。  名前を呼んでくれて、キスをくれて、さっき達したばかりの僕のを環さんの大きな手が包んでくれる。そんなの淫らな気持ちになるでしょう?  とろけるほどに気持ちが良くてたまらないもの。だから。 「もっと、して……」  そう囁きながら、自分からも腰を振って、舌を絡めて、いやらしいキスをおねだりした。

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