56 / 100

第七章・8

「う、ぁう。んんぁ、はぁ、あぁ」  激しく突かれ、揺さぶられながら、実由は司を思った。  秀孝さんに負けないくらいカッコよくて、一流企業に勤めてて、お金持ちで。 (それが、何で僕なんだろ。他に素敵な人、いないのかな。会社とかに、いないのかな) 「実由、心がどこかに行ってるよ」  司が、最奥まで突き立てた。 「んんぁ! そこ、ダメぇ! 奥まで、奥まで当たってるからぁあ!」 「何も考えないで、実由。今だけは」 (言われなくても、もう、頭ン中ぐちゃぐちゃぁ……) 「あぁん! はぁ、あぁ。イッちゃうぅ!」  勢いよく、実由の精が飛んだ。 「ぅああ、あ。っく、ちょ、ちょっと、休憩……」 「ダメだ。このまま苛めてあげる」 「ひぁう! 司、さんの、意地悪ぅ!」  司が果てるまで、実由は3回オーガズムに達した。  彼が体内から去っても、その後膣はひくひくと痙攣していた。 「うぅ……。んぁ、くぅ……」 「ちょっと苛めすぎたかな。ごめん」 「んぅ……」  二人で抱き合い、互いの体をさすっていると、たとえようのない幸福感で満たされる。 (でも……)  言わなきゃ。  秀孝さんのこと。  実由は決意を込めて、司を見た。  彼の目は、やはり優しかった。

ともだちにシェアしよう!