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第7話 ※
「晴彦……さんっ」
「なぁ……膣も……チンコも……感じる?」
彼方は切れ切れに喘ぎながら、こくこく頷いた。
「ぁ、んっ……それっ、一人でするよりっ、すごいっ……きもちいいっ」
「彼方もオナニーとかするんだ……」
「エッチな子は、駄目ですか……?」
「駄目な訳ねぇだろうが……。もっと、もっとするから、してほしいこと、言ってくれ」
「……じゃあ……このまま、おちんちん扱きながら、動いてください……」
頷いて、だんだん動きを激しくする。こっちも耐えられない。彼方を狂いそうなほど気持ち良くしたいし、俺もなりたい。
「うっ……うぅっ……えぐっ……」
「彼方……やっぱり、苦しいか? 俺は平気だから、やめようか?」
「違うんです……いつも無理やり、暴力的にされてたから……晴彦さんのおちんちん気持ち良くてぇっ……エッチがこんなに幸せな気分になれるんだって、僕初めて知りました……」
俺には普通のことだと思ってた。相思相愛の恋人同士、お互いその気になったら愛情表現としてセックスをすることもある。
でも彼方は無理やりされてきた。彼方の気持ちなんて、身体の具合なんて一切無視で、犯罪に他ならない。
しかもそれを、彼方は自分のせいにしてる。自分の身体がこんなだから、男が欲情しても仕方ないんだって。
そんなことない。絶対にない。俺が彼方の“普通”を塗り替えていってやりたい。彼方に本物の愛を、セックスを教えたい。
そう言う俺も経験豊富でも聖人君子でもないけど……それでも他人を、好きな子を大切にしたいって思うのも、男の本能じゃないか。
「彼方……好きだ……俺として、彼方が幸せになってくれたなら、俺もすごく嬉しい」
「晴彦さん……っ!」
手が塞がっているから、強く抱き締められないのがもどかしい。代わりに彼方の首筋に頬擦りをしたり、溺れるようなキスの嵐を浴びせていく。
それに彼方はくすぐったそうに応じてくれて、もう俺も余裕なんてあったもんじゃない。
「はぁっ、はぁっ、彼方……かなたぁっ……あ、イク……もうイクからっ……」
「あ、や、だめ……離さないで……中に出してくださいっ……晴彦さんの精子、僕の膣内にいっぱい欲しいっ……」
そんな扇情的なことを言われたら、我慢できる訳がない。
「ううっ!!」
低く呻いて、温かな膣内……と言っても過言ではない場所に一滴残らず射精した。
彼方も“イク”のはそこだけじゃないらしい。膣というよりは彼方の言う通り、場所的には前立腺を刺激されているのに近いんだろう。快感はあっても、きっと別の感覚だ。
フィニッシュはやはり扱きまくって膨れた亀頭から、大量の白濁を噴出させていた。
他人の射精の瞬間を見るってのに、シーツを掴んで顔を歪める彼方に、なんともたまらない気持ちになった。
自分でするより女とするより死ぬほど気持ち良かった。もう、彼方なしじゃいられない身体になってしまうじゃないか。
「はぁ……あぁ……晴彦さんのが、いっぱい……今度こそ孕むかな」
彼方は下腹部を触って顔をとろけさせている始末だ。
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