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勇者を辞める方法
――まあ、そんなこんなで魔王と戦う訳ですけど。
無人島の洞窟の入り口に腰掛け夕日を眺めながら、キースはふと苦笑する。
――過去を振り返るとか、死ぬ前みたいだ。
二十七歳のみそらで、もちろん、まだそのつもりはない。
ここへ来る前に、同居を拒否してくれやがった大魔法使いの言葉が何度も頭を巡る。
『ひとと離れて暮らすなど、お前にできるはずがなかろう。なぜなら』
炎を孕んだような激しい目に責められているようで、顔を背けたキースに彼女は警告のように呟いたのだ。
『お前はひとを愛しているからな』
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