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師匠代理
「もう、こんな風にするのは、止めてください」
「なに?」
「ワグに見られたら困ります。これは人間界では、その、愛を交わす行為なので」
「俺はそのつもりはない」
「分かっています、私の魔法力を吸っているのでしょう?」
本来それも許す訳にはいかないのだけれど。
遠くからキースを呼ぶワグの声が聞こえる。
これまで通りという訳にはいかない。腕を掴んできた魔王の手を払ってキースははっきりと言った。
「私はあの子の師匠代理なので」
まったくもってマリーの思い通りなのだろうと思いながら。
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