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第1話
「ハァーー…。」
只今の時刻深夜2時。もうとっくに終業しているはずなのに、俺の旦那、一条眞仁(いちじょうまひと)は帰ってこない。
連絡一つせずに帰宅しないのは、今に始まった事じゃないし作ったご飯をゴミにするのにも慣れたけどキングサイズのデカイベッドで一人寝るのは酷く虚しい。
「どうせセフレのところにでもいるんだろ。」
所在を掴みたくても俺からのメール、電話、LINEに眞仁が答えてくれたことはほとんどない。
普段は別にそれで構わない。好きで番になった訳でもないし、初めが行き釣りの、ほとんどレイプに近い行為だったし。Ωってだけで家を追い出された俺に衣食住を与えてくれてるだけでも感謝しなきゃならない。
問題は恐らく1週間以内に来るであろう〝発情期〟だ。発情中に番のいない辛さはとっくに経済みで、あまり味わいたいものじゃないしな。
「どうしたものかなー…。」
明かりを落としたダイニングで、俺は1人でテーブルに突っ伏した。
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