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終わらない二人きり。
――セックスの後というのは
どうしてこうも、身体が重くだるいのか。
シャワーを浴びようと、汗だくの身体を引き摺って、ベッドから降りようとしたが、腕を掴まれた。
「――なに。」
ベッドの上で俺を見上げる男は、情事直後にも関わらず、涼しい顔をしていた。
「まだ足りない」
嘘だろ、と口に出そうになる。
自分より二つ年上のこの男は、普段はもの静かな性格だが、ベッドの上では獣と化す。
遠い昔――二人が社会に溶け込んで、まっとうな仕事をしていたときから、この男には敵わなかった。
――今もそう。
無表情で俺を見つめる、その黒い瞳の奥に宿る熱に、俺は目を逸らすことができない。
引きずられるように、男の胸へ潜り込んだ。
「今何時……?」
「知るかよ」
今の俺たちの日常に、時間の概念なんて――必要ない。
起きたいときに起きて
食べたいときに食べ
セックスしたいときにセックスをし
眠りたいときに眠る
ただ、それだけの淡々とした日常。
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