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第4話
「泣いているのか。」
ぎゅ、と回されていた腕に力が込められる。おこした……?
「ご、ごめんなさぃっ……」
「スティーは昨日からそればかりだ。安心していい。お前の義兄は追い落としておくから。」
あまりのセリフに、俺は固まった。
バレてる、ばれてる?なんで、うそ。どうして、なんで?
わかんない、なんで、この人が、知って、るの?
「なんで、って顔をしているな。妻のことだから、調べた。
それにしても。こんなことされるくらいなら悠長に下準備なんかせず、さっさと追い落としておけば良かった。」
ゾワッとした。ほ、本気…フィアは、怒ると怖い。フィア自身は自分を力無い侯爵だと思ってるけど、全然違う。
たしかに爵位継ぎたての頃はそうだったかもしれないけど、あれからすごい早さで出世したから。
今1番宮廷で怒らせてはいけないのは、この人だって、みんな知ってる。
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