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第3話
それ以上は、どう求めればいいのかわからなかった。それに、フィアからしたら政略結婚なんだから、構ってもらうためのその行為すら迷惑だったかもしれなくて、余計に動けなかった。
それでいいと思ってた。それで十分なんだ、って。
そんな、浅ましい俺の、罰、なのかな…。
本当は、俺みたいなのが望んじゃダメだった。俺みたいな、汚れきった人間が、こんなに優しい人を、手に入れたい、それは無理でも、少しでも目に入れて欲しい、って思っちゃったこと自体が、ダメだったのかもしれない。
最悪だ…こんなことなら、ワガママに自分を差し出さず、ちゃんと相応しい人と結婚させてあげればよかった。
…こんな、情けない姿、見られたくなかった。
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