19 / 22
第2話
愛でて、って言うのは、俺が言っても許されるのかな。また、鎖付けて、愛でて、って。…いや、ちがう、か。
フィアも、欲求不満、だったり、しないのかなぁ……?
虚しさには、蓋をする。だって、構ってほしい。実家ではいらない子だった俺は、この侯爵家で、あなたを求めてる。
フィアの胸板に頬を擦り付ける。寝てるから、大丈夫。…俺も、この肌に跡をつけられたらどんなにいいか。
昨日は、俺の跡、全部フィアが上書きしてくれた。外が暗くなって、不安になってめちゃくちゃに病んだから、フィアに縋り付いて。安心できる場所がそこにしかなかったから、本能のまま。
それで、いつのまにか、フィアが俺の肌の跡に丁寧にキスマークをつけていってた。全部上書きしてくれた。その時間は幸せで、満たされて。死にたくなるくらい幸せだった。
ともだちにシェアしよう!