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【一也視点】5.後輩との一夜

自分が酔っ払ってるのをいいことに俺は本当に金子をホテルに連れ込んでしまった。 意識はある。ただ、酒のせいで罪悪感とか倫理観みたいなもんに蓋がされて俺は今酷く悪い奴になっている。 金子は職場の後輩で、俺がかなりフォローしてやっていて、本音では嫌がっていても断れないだけかもしれない。 だけど俺は以前飲んだ時にアイツからキスされたっていうのを言い訳にして、金子が俺のことを好きなんだと思いこむことにした。要するに……これから金子とセックスする。 つがいもいないと言うし、こうやって俺の誘いにすぐ乗ってくるってことはその気がある……んだよな? 後輩と寝てしまったら後から厄介なことになりそうだとは頭でわかってるが、今は理性が失われかけている。 俺は本能のままに金子を組み敷いた。 彼は従順で、嫌がる素振りは見せなかった。それがいよいよ俺を調子に乗らせた。 「直央、いいんだな?」 「ーーーはい……」 「もう途中で止められないから覚悟してくれ」 「あの、先輩……」 「何?やめる?」 金子は恥ずかしそうに頬を染めて目を瞑ったまま言う。 「いえ……してほしいです」 ーーー可愛いこと言うじゃねえか。 「ごめん俺ほんと最低だよな」 「そんなこといです……んっ」 ピンク色の小ぶりな唇にキスした。この間された頬へのキスみたいな可愛いのじゃなくてちゃんとしたやつ。 久々の性欲にまみれたキスは気持ちがよかった。 困ったように眉を下げた小さい顔。息苦しそうなのにされるがままの金子。 「すぐに入れたい。ごめんな?ここもう触るよ」 「あっ!」 俺はいつもならもっと時間かけて前戯をやるが、余裕が無かった。いきなり尻を触ったので金子は驚いて俺にしがみついて来た。 オメガ相手だから、発情期じゃなくても後孔をいじれば少なからず分泌液が出る。入り口の周りを指で解して少し柔らかくなったところで中に滑り込ませた。 「んっ、あ……先輩……」 随分キツい。うなじの虫除け効果が抜群すぎて最近は誰とも寝ていないのかもしれない。 「直央、もう少し力抜いて」 「す、すみません……どうしたらいいかわかんないっ……あ、痛っ!」 なんだ? 「痛いか?大丈夫?」 「先輩ごめんなさい僕、うまくできなくて……ごめんなさい……んぅ」 つがいがいた割にどうも馴れていない様子だ。 セックス自体が久しぶりで身体がついていかないのかもしれない。しかし金子は俺の首に腕を巻き付けて離さなかった。どうやらこの行為をやめたいわけではなさそうだ。 「じゃあこっち触るから気持ちよくなって。他のこと考えなくていいよ」 「ん……はい……」 俺は金子の萎えたままの性器を手に取り優しく扱いた。しっかり勃ち上がるまでキスしながら愛撫する。 「気持ちいい?」 「あ……きもち……です……」 ゆるく扱いてやるだけで金子はすぐに快感を追うのに夢中になり始めた。この間に俺はもう一方の手で後ろの口の強張りを解していく。 しばらくして指が2本根入り、中で少し指の関節を曲げて擦ると金子は甲高い声を上げて腰を浮かせた。 「はぁっあんっ……!」 「ここ気持ちいい?」 「あ……や、何?変ですそこ、やぁっ、触らないで」 「変じゃない。気持ちいいっていうんだよ」 金子はそこを重点的に責めると言葉にならない声を上げて仰け反った。ピクピクと時たま痙攣する白魚のような肌は艶かしく、彼がもっといやらしくなるところが見たくなる。 「もういいよね?挿れるよ」 「あ、はい……先輩……」 「一也でいいよ」 「か、一也さん……?」 自分で名前を呼ばせておきながら、その甘えを含んだ響きにゾクっとした。俺は金子の中から指を引き抜き、代わりに自分の張り詰めたものをゆっくりと挿入した。 柔らかくなったそこはやがて俺の全てを包み込んだ。 「ーーーああ……全部入った……金子ん中すげぇあったかいよ」 「は……ぅ……」 「苦しい?大丈夫?」 「だいじょぶ……です」 そう言ってはいるが、眉根を寄せて浅い呼吸を繰り返す金子はおそらく苦しいのを我慢しているのだろう。つがいがいたのっていつ頃なんだろう?この感じだとまじでしばらくセックスはしてなかったんだろうな。 俺はそれを思いやって、あまり激しくはせず優しく抱いた。 先程彼が感じていた辺りをゆっくりと擦ってやる。 「直央、ここ気持ちいい?」 「ん……気持ち、いいです……一也さん好き。好き……気持ちいい……」 うわ言のように好きと耳元でつぶやかれ、意味のない言葉だとわかっていても体が熱くなった。つい荒っぽく抱きたくなるのをなんとか堪える。 実は酔っ払ってホテルに着いた時はがんがんに突いてめちゃくちゃにしてやりたいって気分だった。だけど金子の様子を見ていたらなんだか優しく大事にしてやんないとって気がしたのだ。 俺もここ最近誰ともしてなかった。少し前まで志信とセックスしてたときアイツはいつもヒート状態でグズグズだったので、実は俺ってエッチ下手なんだったらどうしようと少し焦った。 だが最初苦しそうにしていた金子も最後は感じて「もっとして」とまで言ってくれて安心した。 金子は何度か果てた後疲れて先に眠ってしまった。月明かりを浴びた寝顔は26歳にしてはあどけなく見えた。

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