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2章-14.朔ちゃんの成長とヒート再開【第2章最終話】
それから朔ちゃんはすくすくと育ってどんどん体重が増え、むちむち体型になっていった。どこに出かけても奥様や年配の女性たちに「かわいいねぇ」と声をかけられる。
俺が1人で抱っこ紐に入れて歩いていると大抵パパと間違われる。それでも別にいいんだけどね。あえて訂正することは少ないけど、俺がママですって言う場面があると驚かれる。
俺の体調はというと、産後3ヶ月でヒートが再開した。正直な感想は、「え?もう?」だった。女性のように母乳が出ていればもう少し遅くなるみたいだけど、男性Ωのヒート再開は平均で大体産後3ヶ月らしい。
まだまだ育児も大変な時期なのに、ヒートまで重なったらもう育児どころではないのでできればもう少し来ないで欲しかったなぁ。
でも礼央はヒートの復活を喜んでいた。早く2人目がほしいですねと言ってくる。そもそも帝王切開なので次の妊娠までは1年開けるようにと医師から言われていた。
「まだそんなこと全然考える余裕ないってば…」
傷自体の痛みはもうそれほど無いのだがセックスした場合痛いのかどうかはやってみないとわからない。とりあえず今回のヒートは抑制剤を飲んでやり過ごすということで夫婦間で決定した。
でもまぁ、礼央は可哀想なんだよね。妊娠中もずっとできなかったわけだから…
俺だって気持ち的には礼央としたいんだけど、朔ちゃんの育児もして疲れてるしなんとなく積極的になれない。礼央は相変わらずスキンシップは激しくて、しょっちゅうベタベタしてくるから俺はそれで満足しちゃってるのもある。
とりあえず次のヒートまでは待ってもらおう。
それはまだまだ先のことと思っていたけど、あっという間に朔ちゃんは生後6ヶ月になり俺のヒートもやってきた。礼央には今度こそと約束していたけど、実は最近朔ちゃんの夜泣きが始まってしまったのだ。
「美耶さん…悲しいけど僕我慢します。朔ちゃん夜泣きで大変ですもんね」
「わかってくれてありがとう」
というわけで結局今回も抑制剤によりスルーすることになった。でもあんまり可哀想なので、挿入はしないで軽くボディタッチするのだけは許可した。
「美耶さんの身体こうやって触るの久しぶりで嬉しいです」
乳首とお尻を同時にいじられる。久々過ぎてちょっとやばいかもこれ…
「あ…礼央…気持ちいい…」
「薬飲んでても中触ると濡れてきますね。可愛い…全身舐めて思い切り突いてあげたい。でも我慢します」
「んっあっいい…もっとぐりぐりして…」
「美耶さん…煽るのは禁止です」
「だって久しぶりだからぁ…あっあっ!だめ、あんっ!気持ちいいよぉ…」
「美耶さん、早く挿れたい…」
「挿れて、お願い挿れてぇ…!中に出してよ礼央…」
「だ、だめだってば美耶さん。話し合ったでしょ。そんな可愛くおねだりされたら本当に挿れたくなるからやめてくださいよ」
俺は指を後ろの穴で咥えたまま腰を振って誘惑してしまう。傷?全然痛みなんて気にならない。薬飲んでるけど抑えきれてないから痛みもわかんなくなってしまってるんだろう。
「あっああっいいっイクっ!やだ、指でイキたくない、礼央のがいいのにぃ!あんっイッちゃう…んんっ」
礼央の指をぎゅうぎゅう締め付けて痙攣しながら俺はイッた。
久々の射精はすごい快感だった。礼央もα向け抑制剤を飲んでくれてるけど、いい匂いすぎて挿れてほしくて仕方ない。俺は息を整えると礼央のモノを口で咥えた。唾液がどんどん出てきて、卑猥な音がする。
美味しい、美味しい…礼央の味たまんない…これ後ろに欲しいよ…
夢中で舐めまくって、自分で頭を前後させて喉の奥にぶつけながらじゅぷじゅぷとしゃぶる。
するとしばらくして礼央が低く呻いて俺の口の中で達した。
「美耶さんだめだ、もうやめよう。僕これ以上我慢できそうにないです」
「わかった…俺もやばいからやめよ…」
こうしてこの期間中は俺達は触り合いっこ禁止とした。最後までできないなら返ってお互い辛いだけだと思い知った。
「ヒート期間中にえっちなことするのは2人目お迎えしていいって決意できてからにしましょう」
「了解」
そんなことを話ながらも、結局俺達はその次のヒートで我慢できなくて最後までしてしまった。まだ出産から1年経っていないため避妊はした。
俺も年々体力が落ちていくだろうし、赤ちゃんお迎えするなら早いに越したことないから次の周期では避妊せずにしようということになった。
ベッドに寝そべったまま礼央が言う。
「美耶さん、僕ちゃんと美耶さんも朔ちゃんも今度の赤ちゃんも守りますから」
「いや、だから気が早いんだってば礼央は。まだ今回は避妊してるからね?」
「もう気持ち的にはいつでもどんとこいってことです」
「礼央がどんとこいでも、俺の方が問題だろ…」
そう言うと礼央がガバっと抱きついてきた。
「すいません、すいません!ママが大変なんですよね。わかってます!でも本当に僕、たくさん子ども欲しくて…」
「わかってるって。俺も2人目欲しいなって思うよ。まぁ、寝させてくれなくて大変なことも多いけど。礼央がちゃんと助けてくれるから、ね?」
「それは勿論です!」
礼央の顔を見た。朔ちゃんは産まれたときから礼央に似てると思っていたけど、最近また更に礼央の顔に似てきたんだよね。
「どうかしましたか?」
あまりじろじろ見ていたので礼央が訝しげに聞いてきた。
「いや、なんでもない。幸せだなって思っただけ」
無事に出産できて、2人目のことまで考えられるのって本当にありがたいことだなと思う。母とはまた関係を拗らせてしまったけど、俺には支えてくれる人が他にもたくさんいる。
「早く2人目の顔を見られるように俺も努力するよ」
「ありがとう美耶さん」
あと数センチで唇と唇が触れるという瞬間、朔ちゃんの泣き声が聞こえた。
「おっとっと…はーいはいはい今いくよ~!」
立とうとした俺を制して礼央が可愛い我が子の元へ駆けつけた。
俺はそれを微笑みながら見ていた。
〈完〉
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