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No.48 無題

雨粒をかき分け軒下に滑り込んでくる姿。 奪われる。目を、心を。 よもやココに辿り着く者がいるとは。 ひとつ。 滴が大きく音を立てる。 まぶたにちらつく人影は、遙か彼方の者として色を失う。 上がる口角を押しとどめ、彼にやわく声を掛ける。 「寒いでしょう。中へどうぞ」 そう、ひとときの戯れを――

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